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【総集編】ヘルススコア完全理解!基礎から実践まで網羅

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【総集編】ヘルススコア完全理解!基礎から実践まで網羅

「ヘルススコアは、いつ、どのように導入すればいいの?」

「ヘルススコアをどう活用すればいいのか知りたい」

このように考えているカスタマーサクセス担当者は多いのではないでしょうか。

 

顧客のLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)の最大化が目的のカスタマーサクセスでは、解約を未然に防ぐことが大切です。そのためには顧客のヘルススコアを測定し、プロダクト活用度や解約兆候を把握する必要があります。

 

そこで本記事では、ヘルススコアのメリットを紹介したあとに、導入のタイミングや必要な準備、ヘルススコア設計の仕方や運用方法まで網羅的に解説します。

 

ヘルススコアとは?

ヘルススコアとは、「顧客が自社プロダクトの利用を継続するかを測る指標」であり、カスタマーサクセスを運用する上で欠かせないものです。

 

SaaSをはじめとするサブスクリプション型のビジネスモデルでは、顧客のLTVを最大化させることが命題です。そのためには顧客のチャーン(解約)を防ぐ、アップセル・クロスセルさせるといった取り組みが欠かせません。

 

そのために、顧客の健康状態(ヘルス=health)を得点(スコア=score)で表し、顧客の状況を数値化・可視化することにより、適切なタイミングで提案や情報発信をできるようにしておくことが重要なのです


 




ヘルススコアのメリット

ヘルススコアを活用するメリットは3つあります。

 

①顧客に合わせたプロダクト活用を提案し最短距離で成功に導ける

ヘルススコアで顧客の健康状態を数値化すると、状況にあった適切なカスタマーサクセスを実行できるので、その結果最短距離で成功へと導けるようになります。

 

②解約の兆候をつかみ未然に防げる

ヘルススコアが悪化した顧客に対し、速やかに理由を探って対処できるため、解約を未然に防げるようになります。

 

③アップセル・クロスセルのタイミングをつかめる

ヘルススコアが高い顧客に対し、適切なタイミングでアップセル・クロスセルを提案できるようになります。

 

ヘルススコアのメリットについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

【基礎編】ヘルススコアとは?その重要性とメリット、主な指標をわかりやすく解説

 

 



ヘルススコア設計のタイミング

 

ヘルススコア設計は、サービス開始当初から準備しておけると理想的ですが、事業開始直後の多忙さや、顧客数の少なさにより、後回しにされるケースも少なくありません。しかし、以下のようなタイミングになったら、本腰を入れて導入することをおすすめします

 

①顧客ごと、また全体のカスタマーサクセス活動の進捗や成否を確認したいとき

②顧客数が多くなり、カスタマーサクセス活動のテックタッチの仕組みを作りたいとき

③チームメンバーのカスタマーサクセス活動の網羅度や徹底度を計測したいとき

 

いずれの場合も、顧客のサービス利用ログや、カスタマーサクセス活動のデータが十分蓄積されていることが前提となります。今すぐヘルススコア設計が必要ない場合でも、データは集積し続けていくことが大切です。



 



ヘルススコア設計に必要な準備

 

続けてヘルススコア設計に必要な準備を説明します。

 

①データの蓄積

ヘルススコアを運用するには、顧客に関する以下のようなデータが必要です。

 

  • 顧客データ:契約情報や成功シナリオ、オンボーディング時の情報など
  • プロダクトログ:ログイン頻度や利用ライセンス数、利用時間など
  • 利用満足度:ネットプロモータースコア(NPS®︎)や顧客満足度(CSAT)など

 

ヘルススコアの算出で必要になるデータは、顧客のライフサイクルによって異なります。必要になった時点で、すでに手元にデータがある状態にするために、蓄積するデータは取捨選択せず、あらゆるローデータで集めておきましょう。

 

②カスタマージャーニーマップの定義

ヘルススコア設計には、カスタマージャーニーマップの作成も欠かせません。カスタマージャーニーマップとは、一般的には、「顧客が商品を認知し、興味を持ち、購入するまでの道のり」のことを表し、新規契約を受注するマーケティング・営業活動において使うのが一般的です。近年では、カスタマーサクセス領域においても、顧客の製品・サービス導入の準備段階であるオンボーディングを起点に、利活用の成熟度をフェーズ化した「カスタマーサクセスのカスタマージャーニーマップ」を定義することが重要であるとされています。

カスタマージャーニーマップについて詳しくはこちら

 

このマップを活用して、顧客の成熟度ごとの「ゴール」や期待される「顧客の行動」、不安や不満を感じるであろう「課題」を明確にしておきます。

 

③ヘルススコア改善の体制作り

ヘルススコアは、測定することではなく、スコアに基づいて改善アクションを起こすのが目的です。カスタマージャーニーマップで設定したフェーズごとにヘルススコアの基準値と予測される課題を設定しておき、どうすれば解決できるのかも事前に検討しておきます。




 

ヘルススコア設計の仕方


ヘルススコアを導入する準備を整えたら、以下の5つのステップで導入・運用を進めます。

 

①顧客の健康状態を定義する

導入目的に応じて、どのような状態であれば顧客は健康といえるのかを定性的に定義します。

 

②指標を決める

「健康的な状態」をスコア化するために、蓄積したデータからどの指標を利用するかを決定します。

 

③ヘルススコアの算出方法を決める

ヘルススコアの精度を高めるために、ヘルススコアの計算式を検討します。

 

④起点となる閾(しきい)値とアクション内容を決める

アクションを起こす境目となる閾値と、取るべきアクションを決定します。

 

⑤運用と継続的改善(PDCA)を実施する

実際に運用しながら効果検証を行い、計算式の変更や指標の入れ替えなどを繰り返します。

 

ヘルススコア設計の詳しい手順についての詳細は、以下をご覧ください。
【実践編】ヘルススコアの作り方は?導入手順から運用後の課題解決策までを解説





ヘルススコア設計後の運用方法

ヘルススコアは数値を計測するのが目的ではなく、顧客のヘルススコアに応じて適切なアクションを起こしてこそ価値があります。ここではスコアに応じた具体的なアクション内容と、効率的に運用するための自動化のアイデアを紹介します。



ヘルススコア別の改善アクションと体制

 

ヘルススコアの善し悪しごとの、アクションと体制は以下の通りです。

 

①ヘルススコアが悪い顧客をフォローする(守りの体制)


ヘルススコアが悪い顧客は、解約リスクが高まる前に、適時・適切なフォローが必要です。閾値を下回るアラートを確認したら、迅速に連絡の上状況を確認し、不安・不満などの課題点を明確にした上で改善アクションを取ることが重要です。

 

<アラート例>

・契約更新の3ヵ月前になっても利用率が30%未満の場合

・組織の20%以上のユーザーが一定期間ログインしてない場合

 

②ヘルススコアが良い顧客をフォローする(攻めの体制)


ヘルススコアが良い顧客からのアラートに対しては、LTVの最大化に向け、決裁者への接触量を増やし、アップセルやクロスセルを提案するなど、エクスパンション重視の体制をとります。

 

<アラート例>

・年間のサービス利用率が80%に達した場合

・利用ID数が契約プラン上限の90%に達した場合

・提供機能のすべてを1ヶ月以上継続して使用している場合



ヘルススコア改善におけるタスクの自動化

ヘルススコアを改善するためには、スコアの変動に応じて前項で紹介したようなアクションを迅速にとる必要があります。しかしスコアを毎日人力で集計・管理するのは、顧客数が少ないうちなら可能ですが、対象が増えると人手がいくらあっても足りません。

 

そのため基本的にヘルススコアによる顧客管理は、可能な限り、カスタマーサクセス専用ツールを導入して自動化するのが賢明です。ヘルススコアを設計し、データ基盤を作ったあとは、次章でご紹介するカスタマーサクセスツールを活用するのがおすすめです。

 

ヘルススコアの数値に応じ、カスタマーサクセスマネージャーや各担当者にアラートを発信する仕組みを作れば、効率的にタスク管理を行えるようになります。




ヘルススコアを計測できるカスタマーサクセスツール

 

ヘルススコアを計測するには、カスタマーサクセスツールを活用すると効率的です。

 

カスタマーサクセスツールとは、顧客のプロダクト利用状況をモニタリングし、ユーザーを定着させて解約を防ぐ、カスタマーサクセス活動全般に役立つツールです。

 

カスタマーサクセスツールを活用すると、顧客の活動状況を視覚化し、対応の自動化が可能になります。データの収集や分析に時間をかける必要がなくなり、余った時間をより実践的な顧客対応に充てられるようになります。
カスタマーサクセスツールは種類が多く、特徴もさまざまです。自社にあったツールを選ぶには、以下の記事を参考にしてください。

【2022最新】おすすめのカスタマーサクセスツール6選比較

 


 

まとめ

 

顧客の解約の兆候や、アップセル・クロスセルのタイミングをつかみ、LTVを最大化させるためにはヘルススコアの運用が欠かせません。顧客がプロダクトの利用を始めたら、できる限りの活用状況データを集積し、ヘルススコアを設計・運用できるよう、準備しておきましょう。

 

しかし顧客の利用データを集め、ヘルススコアの設計や運用を手動で行うのには限界があります。ヘルススコアの測定はあくまで手段であり、目的は顧客の成功に繋がるプロダクト活用であることを考えると、ヘルススコアの測定や運用自体はツールを活用して自動化するのが効率的です。

 

※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標またはサービスマークです。



尾上 雄馬

執筆者情報:

尾上 雄馬(おのうえ ゆうま)

2007年に株式会社ビーエスピー(現ユニリタ)入社。
ITサービス向けヘルプデスクSaaS「LMIS」を新規開発から開発を担当。
開発業務の傍らサポートも兼務していたが、解約率の高まりに危機感を感じ、2017年より同サービスのカスタマーサクセスチームを立ち上げ責任者を担当。
カスタマーサクセス管理用のツールを内製し、解約率半減を実現。
この管理ツールを汎用化し、Salesforce上で稼働するカスタマーサクセス管理SaaS「Growwwing」として販売開始、2020年7月より事業化し責任者を担当。
itSMF JapanにおいてクラウドSLA分科会副座長、サービスカタログ分科会座長も歴任。


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