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【応用編】ヘルススコアの効果的な運用方法と アクションへのつなげ方、お伝えします

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【応用編】ヘルススコアの効果的な運用方法と アクションへのつなげ方、お伝えします

目次



カスタマーサクセス活動(以下CS活動)に欠かせないのが、ヘルススコアと呼ばれる指標です。ヘルススコアの目的は、ログインの頻度、使用時間、使用機能といったさまざまな指標を設定して、自社サービスの顧客が「健康」「不健康」かを定量的に判断する点にあります。ヘルススコアを指針として、CS活動におけるアクションを定義することが大切です。本記事では、ヘルススコアの効果的な運用方法とアクションへのつなげ方をわかりやすく解説します。



いまさら聞けない「ヘルススコア」とは?


SaaS/サブスクリプションビジネスの分野でよく聞く「ヘルススコア」ですが、なんとなくは意味を知っているけど具体的な計測方法や効果的な運用方法はわからないという人が多いのではないでしょうか。ヘルススコアは、簡潔にいうとサービスの「利用継続意向」をスコアであらわしたものです。まずはヘルススコアの定義を解説します。


▽まずヘルススコアの基礎を知りたい方はこちら
【基礎編】ヘルススコアとは?その重要性とメリット、主な指標をわかりやすく解説 




 

「ヘルススコア」の計測方法


ヘルススコアを実際に運用するため、計測方法を理解しましょう。ヘルススコアの計測方法の概要や、ヘルススコアの指標やロジックを決める2つのステップを紹介します。ヘルススコアの計測方法をしっかりと理解し、効果的に運用しましょう。


「ヘルススコア」の計測方法の概要

前述のとおり、ヘルススコアは顧客が「健康である」「不健康である」というイメージを定量化していく指標です。定量化のプロセスは、大きく2つのステップに分けられます。

  • Step①スコアの根拠とする指標を決める
  • Step②スコアの算出ロジックを決める


 

Step①「スコアの根拠とする指標を決める」

まずは、ヘルススコアの根拠とする指標を決めることから始めましょう。ヘルススコアの指標は、サービスの性質に合わせて、CS組織が能動的に決める必要があります。以下ではヘルススコアの根拠とする指標の例を紹介します。


スコアの根拠とする指標の例
ヘルススコアの指標は、サービスの性質によって少しずつ変化します。例えば、CanvaやAir designなどコンテンツ制作系のサービスの場合、ユーザー企業の業務で「いかに深く濃く使ってもらえているか」が重要になります。そのため、ログイン頻度、使用時間、使用機能、コンテンツ数などをヘルススコアの指標として設定します。


指標 意図
ログイン頻度 サービスを「そもそも使っているか」を知りたい
使用時間 ログイン後、顧客がすぐに離脱しているとサービスを「使えていない」可能性があるため、きちんとコンテンツ制作に使われているかを知りたい
使用機能 サービスのコアや売りとなっている機能が使われているか、顧客がサービスの機能を網羅的に理解できているかを知りたい
アウトプット数 アウトプット(コンテンツやレコード、レポート等)が増えているか、サービスの意図に合った使われ方をしているかを知りたい



また、SFAやCRMなど、事業活動に欠かせない数値やデータを管理するツールの場合、ユーザー企業で「いかに広く浸透しているか」をはかることで、今後の利用継続意向を把握できます。そのため、ログイン頻度や使用機能に加えて、使用人数、データ量などの指標を設定します。


指標 意図
使用人数 数値管理系のツールは「誰かが使う」ではなく、「誰もが使う」ツールであり、実際にどの程度の人数にツールが浸透しているかを知りたい
データ量 必要な時のみ使うツールではなく、常時使うべきツールであるため、ツールで取り扱うデータ量が着実に増えているかを知りたい



このように、サービスの性質によって、ヘルススコアの根拠とするべき指標の考え方が違うことを理解しましょう。


Step②「スコア算出の為のロジックを決める」

次のステップでは、先ほど決めた指標の重要度ごとに数字をつけ、ヘルススコアを算出するためのロジックを設定します。サービスの利用継続意向を「定量化」する上で、非常に重要なプロセスです。ロジックはCS組織がそれぞれ独自にカスタマイズしていくべきものですが、今回はその中でもコンテンツ制作系のサービスを例に、考え方を紹介します。


  A.選んだ指標に重要度をつける
  B.重要度の「差」を数字で表現する
  C.数字ごとの「スコア」を決める


A. 選んだ指標に重要度をつける

まずはヘルススコアの指標ごとに重要度をつけていきましょう。SaaS/サブスクリプションビジネスは、顧客の継続利用と課金を前提としたビジネスモデルです。そのため、サービスの性質によらず「どのくらい使ってもらえているか」が最重要指標となります。

例えば、ログイン頻度はサービスを「そもそも使っているか」をはかる指標のため、重要度は「最重要」とします。同様にして、サービスを「きちんと使えているか」が知りたいため、使用時間の指標も「重要」とします。


指標 重要度
ログイン頻度 重要指標なので「最重要」
使用時間 ログイン頻度と比較して「重要」
使用機能 使用時間と比較して「普通」
コンテンツ数 コンテンツを作ってもらうのが目的のサービスなので「最重要」



また、コンテンツ制作系のサービスは、そもそもコンテンツを作ってもらうのが目的のサービスです。サービスが目的どおりに使ってもらえているかを知りたいため、コンテンツ数の指標も「最重要」とします。


B. 重要度の「差」を数字で表現する

指標ごとの重要度を設定したら、重要度の「差」を数字で表現します。具体的には、最重要のものを「最高で5」、重要は「最高で3」、普通は「最高で1」とウエイト(重み)をつけ、それぞれの重要度の差が数字に現れるように調整します。

例えば、ログイン頻度の例を考えてみましょう。ログイン頻度が最高となるのは、顧客が毎日サービスにログインしている状態です。そのため、ログイン頻度が「毎日」の状態をスコア5とし、2日に1回でスコア3、3~5日に1回でスコア1と、段階的に数値も下げます。この方法で、他の指標も段階的に数字をつけていきましょう。

指標ごとの数字の割り振りが終わったら、ヘルススコアの集計期間を決めます。理想的な集計期間は、長くても2週間に一度、できれば毎週集計を行いましょう。集計期間が短いほど、サービスの利用継続意向を敏感に知ることができます。

上記のプロセスを完了すれば、各指標のスコアが得られ、合計すると一般的なヘルススコアを算出できます。


C. 数字ごとの「スコア」を決める

ただ数字を出すだけでは、顧客の状態が「健康」か「不健康」か分かりません。Bのステップで出した数字を基にして、善し悪しを判断する(=スコアを決める)ステップが必要です。

例えば、ヘルススコアの数値を4つのグループに分けるなどし、健康・不健康を判断します。グループごとに呼び名を決めておくと、ヘルススコアが運用しやすくなります。例えば、ヘルススコアの数値順にABCDを割り振ったり、ブルー、水色、オレンジ、レッドなどの色を割り振ったり、わかりやすいラベルをつけましょう。




最重要!スコアに対するアクションを定義



最後にヘルススコアの運用でもっとも重要な、スコアに対するアクションの定義について解説します。ただヘルススコアの数字を出すだけでは、サービスの改善につながりません。ヘルススコアの目的は、顧客の利用継続意向を定量化・数値化し、チャーンレートの改善、アップセル・クロスセルの提案など、具体的なアクションにつなげることです。


何のためにヘルススコアを付けるのか?

ヘルススコアの目的は、サービスを使い続けてくれなさそうな「不健康な人」や、ないよりある方がましといった考えの「健康とはいえない人」を抽出し、サービスを継続利用/課金する「健康な人」になってもらえるよう、なんらかのアクションを起こすことです。そのアクションが、CS活動に当たります。CS活動の指針を決めて、より効果的なアクションをするために、ヘルススコアの管理は必要不可欠です。言い換えれば、具体的なアクションを何も起こさない場合、ヘルススコアをつける意味はありません。


何を基にアクションを定義する?

「不健康な人」を抽出したら、どのような原因(症状)でヘルススコアが低下しているのかを分析し、アクションの内容を決めていきます。症状を分析するときは、ヘルススコアの各指標を見てみましょう。Step②の「スコア算出の為のロジックを決める」で決めたとおり、重要度が高い指標から順番に確認していきます。ヘルススコアが低下した要因を特定したら、課題解決につながるアクションを決めて定義づけをおこないましょう。


▽より詳しくヘルススコア設計後のアクションを知りたい方はこちら
【応用編】ヘルススコア設計後の改善アクションの重要性


 

ヘルススコアのポイントまとめ

カスタマーサクセスで使われるヘルススコアとは「顧客が『満足感を持って』自社の製品・サービスを継続的に利用してくれているであろう状態かどうか」を測るための指標です。ヘルススコアを計測する場合は、まずサービスの性質に関連した指標をいくつかピックアップし、重要度ごとに数字を割り振ります。ヘルススコアの目的は、サービスの利用継続意向が低い顧客を特定し、具体的なアクションを起こすことにあります。ヘルススコアの効果的な運用方法を知り、自社のCS活動に活かしましょう。

渡邉 剛

監修者情報:

渡邉 剛(わたなべ ごう)

ユニリタ自社開発のETLツール「Waha! Transformer」の導入教育/サポート、データ活用システム(ETL/DWH/BI)構築のプロジェクトマネージャーを歴任し、2018年にカスタマーサクセスチームの立上げ責任者を担当。
その経験からカスタマーサクセス専用ツールの必要性を実感し「Growwwing」の事業立上げをおこなう。
2020年7月の事業化からプロダクトマーケティングとカスタマーサクセスの責任者を担当。
カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」においてハイタッチ部 副部長も歴任。


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