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【総集編】リテンション完全理解!基礎から実践まで網羅

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【総集編】リテンション完全理解!基礎から実践まで網羅

カスタマーサクセスでは、顧客をリテンションさせることが重要とされています。とくに中長期契約をビジネス成立の前提とするサブスクリプションビジネスにおいては、顧客をどれだけリテンションさせるかは、ビジネスの成長に大きく関わる問題です。

 

本記事では、リテンションを完全に理解するために、知っておくべき基礎から実践までを解説します。

 

 

リテンションとは

リテンションとは、「維持」や「保持」を意味する言葉で、カスタマーサクセスにおいては以下を意味します。

 

  • 既存顧客を維持するための施策
  • 顧客との関係(契約)を維持することそのもの

 

カスタマーサクセスでは、顧客を成功へと導くことにより、顧客のLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)を最大化させることを目的としています。とくに顧客が継続することによってのみ利益が発生する「サブスクリプションモデル」のビジネスにおいて、どれだけの顧客をリテンションできるかは事業の成長に直結する問題です。

 

顧客に自社製品やサービスの価値を感じてもらい、リテンションさせることは、カスタマーサクセス担当者が取り組むべき重要なミッションのひとつなのです。 




リテンションマーケティングとカスタマーマーケティングの違い

 

リテンションを促進させる施策と聞き「リテンションマーケティング」を思い浮かべた方もいるでしょう。

 

リテンションマーケティングは、既存顧客にリピート購入してもらったり、アップセル・クロスセルしてもらったりすることで、LTVの最大化を目指す施策です。

 

カスタマーサクセスでも、リテンションマーケティングは大切な取り組みのひとつです。顧客のLTVを最大化させるというカスタマーサクセスの目的を果たすには、顧客のリテンションは欠かせないためです。

 

ただし、カスタマーサクセスでは、顧客の「継続」ではなく「成功」を主眼に置いている点が、リテンションマーケティングとは異なります。

 

カスタマーサクセスでは、リテンション施策だけではなく、オンボーディングを充足させたり、利用定着前の顧客にFAQを提供したりするといった、既存顧客向けのマーケティング活動すべてを含めて「カスタマーマーケティング」と呼びます。

 

カスタマーマーケティングでは、顧客の活動状況やアクションに応じたテックタッチな活動を中心にリテンションを目指すのも特徴です。

 

 



リテンション率の計算方法

 

リテンション率(リテンションレート)は、「一定の期間内に、再びサービスを利用した顧客の割合」を指します。

 

リテンション率の計算方法は、以下の通りです。

 

リテンション率(%)=継続顧客数÷新規顧客数×100

 

例えばある月に獲得した新規顧客数が160人で、翌月も利用を継続した顧客数が120人だった場合、リテンション率は以下のように算出します。

 

リテンション率=120÷160×100=75%

 

そこからさらに5か月が経過し、継続した顧客数が40人となった場合のリテンション率は以下の通りです。

 

リテンション率=40÷160×100=25%

 

1か月後には75%だったリテンション率が、半年後には25%まで下がってしまいました。カスタマーサクセスでは、リテンション率の低下を防ぎ、高く維持することが求められるのです。

 



リテンション活動のメリット

 

カスタマーサクセスでリテンション活動を実践するのには、以下の3つのメリットがあります。

 

  • LTVの最大化を図れる
  • 広告費を抑えられるため、利益率が高い
  • プロダクトの質が向上する


順番に解説します。

 

LTVの最大化を図れる

 

リテンション活動を行う最大のメリットは、リテンション率を向上させてLTVを最大化できることです。

 

LTVには以下のようにさまざまな計算方法があります。

 

  • 平均購買単価(プラン)×平均購買頻度×平均継続期間
  • 平均購買単価(プラン) × 平均継続期間
  • 平均購買単価(プラン) × 平均継続期間 × 契約数 × (1 – チャーンレート)
  • 平均購買単価(プラン) × 平均継続期間 × 契約数 × (1 – チャーンレート + 新規契約獲得率)

 

どの計算式にも「平均継続期間」が含まれているのが分かります。つまり平均継続期間はLTVの重要な要素であり、長くなればなるほどLTVは伸長していきます。

 

平均継続期間は顧客をリテンションさせると延びることから、リテンションはLTVの最大化に大きく貢献するのです。


広告費を抑えられるため、利益率が高い

 

リテンション活動は、既存顧客に対する施策であるため、新規顧客を獲得するときに必要となる広告費がかかりません。そのため利益率が高くなるのがメリットです。

 

マーケティングでは、新規顧客の獲得は、既存顧客を維持する場合と比較して、5倍のコストがかかるとされています。リテンション活動を行うと、コストを抑えた収益増加を実現することができます。

 

LTVについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

【総集編】「LTV(Life Time Value)とは?」を「算出方法」と「最大化手法」の理解から紐解く


プロダクトの質が向上する

 

リテンション活動は、顧客に継続してプロダクトを利用してもらうことを意味します。そのためには、顧客に使い続けてもらえるだけの、質の高いプロダクトを作り続ける必要があります。

 

どれだけロイヤルティの高い優良な顧客であっても、ほかに良いプロダクトが見つかれば、そちらに乗り換える可能性は否定できません。顧客を維持するには、常に顧客を満足させる必要があるため、必然的にプロダクトの質が向上していくのです。




 

リテンションレートが下がる理由


一般的にリテンションレートが下がるときには、費用が問題になるケースは少ないものです。リテンションレートが下がるのは、顧客が「サービスに期待していただけの価値を感じなかった」ことの現れと捉えるのが妥当です。

 

リテンションレートを上げるには、サービスの利用を通して顧客に良いUXを与える必要があります。そのためには顧客の状況を常に把握し、不満を感じさせないよう適切なタイミングで介入できる仕組み、つまりカスタマーサクセスの取り組みが大切なのです。

 

リテンションレートが下がる理由について詳しくは以下の記事をご覧ください。

【基礎編】リテンションとは?カスタマーサクセスにおける重要性について解説







リテンション施策の種類と内容

リテンション施策には、以下のようなものがあります。

 

①オンボーディングを充実させる

顧客の課題を把握したうえで、使い方をレクチャーし、自立してサービスを利用できるよう支援します。

 

②顧客情報を管理する

顧客をハイタッチ・ロータッチ・テックタッチにセグメント分けし、顧客ライフサイクルに応じたアプローチを検討します。

 

③顧客のヘルススコアを管理する

顧客のプロダクトの活用状況や満足度を測り、ヘルススコアに応じた適切な対応を実施します。

 

④顧客ロイヤルティを向上させる

LTVが高く売上に貢献しているにもかかわらずNPS®︎の数値が低い顧客を優先的にケアし、顧客ロイヤルティ向上に努めます。

 

リテンション施策についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

【実践編】リテンション施策を成功させるためには?事例も3つ紹介





カスタマーサポートからカスタマーサクセスへ

 

顧客満足度を向上させるためには、商品購入後やサービス契約後などのアフターフォローも大切です。

 

顧客から問い合わせがあるときは、迅速に解決したい重大なトラブルが発生していると考えられます。このときに、どれだけ迅速に、かつ共感性を持って対応するかは、顧客満足度を大きく左右します。顧客の満足度を上げリテンションにつなげるためには、カスタマーサポートの機能を充足させなければなりません。

 

顧客に対して能動的な働きかけを行うカスタマーサクセスと、顧客からの問い合わせに対応するカスタマーサポートは、どちらかが欠けても事業はうまくいきません。両者は車の両輪であり、顧客をリテンションさせるには、どちらも充実させることが大切なのです。

 


 

まとめ

 

SaaSをはじめとするリテンションモデルを採用している企業では、顧客にリテンションしてもらわなければ事業を成長させることができません。そのため顧客のリテンションを促進し、LTVを最大化させるカスタマーサクセスは重要な役割を担います。

 

顧客をリテンションさせるためには、オンボーディングの充実や顧客のヘルススコアの管理が欠かせません。顧客の状態を把握し、適切なタイミングでケアするためには、カスタマーサクセスツールなどを活用するのがおすすめです。

 

※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標またはサービスマークです。



渡邉 剛

執筆者情報:

渡邉 剛(わたなべ ごう)

ユニリタ自社開発のETLツール「Waha! Transformer」の導入教育/サポート、データ活用システム(ETL/DWH/BI)構築のプロジェクトマネージャーを歴任し、2018年にカスタマーサクセスチームの立上げ責任者を担当。
その経験からカスタマーサクセス専用ツールの必要性を実感し「Growwwing」の事業立上げをおこなう。
2020年7月の事業化からプロダクトマーケティングとカスタマーサクセスの責任者を担当。
カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」においてハイタッチ部 副部長も歴任。


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