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【応用編】CS活動の大半はここからはじまる! 「ハイタッチ」との“うまい付き合いかた”教えます

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【応用編】CS活動の大半はここからはじまる! 「ハイタッチ」との“うまい付き合いかた”教えます


カスタマーサクセス活動(CS活動)は、1対1のコミュニケーションに重点を置いた「ハイタッチ(商談、電話、個別作成メールなど)」からスタートします。本記事では、ハイタッチ戦略の強みや注意点、ハイタッチをダメにしないための“うまい付き合い方”を紹介します。


タッチモデル、全部説明できますか?



CS活動で欠かせないのが、タッチモデルと呼ばれる戦略です。


タッチモデルの2つの軸

CS活動におけるタッチモデルには2つの軸があります。

  • ・自社の顧客を顧客生涯価値(LTV)などの指標で分類し、セグメントごとにアプローチを変えること
  • ・事業活動を分類するとき、ユーザーの獲得からサービスの提供に至るまでの各プロセスで、どのようにコミュニケーションをとるかに着目すること

タッチモデルはカスタマーサクセスの分野で使われ、「CS活動においてどのように顧客へのアプローチを変えていくか」を指す言葉です。広義のタッチモデルには、事業活動におけるコミュニケーションのとり方に着目し、サービスを分類する(「ハイタッチなサービス」など)意味もあります。

本記事では、主に前者のタッチモデルを深掘りします。なお、後者のタッチモデルについては、今後別の記事で詳しく解説します。


タッチモデルの種類

タッチモデルは、ハイタッチ、ロータッチ(ミドルタッチ)、テックタッチ、コミュニティタッチの4種類に分類できます。



タッチモデルの種類について詳しく知りたい場合は、「【総集編】初心者必見!!カスタマーサクセスのタッチモデルとは?特徴や活用方法を徹底解説」を参考にしてください。


復習:ハイタッチとは

ハイタッチとは、CS担当者という「人」と顧客という「人」が1対1で関わり、手厚くフォローしていく取り組みです。例えば、電話や個別作成メール、Web会議での面談などがハイタッチの一例です。


カスタマーサクセスにおけるハイタッチとは

CS活動では、自社のサービスにとって貢献度が高いのか低いのか、といったステータスに基づいて顧客を分類し、アプローチを変えていきます。

カスタマーサクセスにおけるハイタッチのターゲットは、LTVが高く大きな収益が期待できる顧客層です。1対1のきめ細やかなサポートを提供し、自社のサービスを継続して利用してもらうことがハイタッチ戦略の狙いです。


事業・サービスにおけるハイタッチとは

事業・サービスを表現するとき、「ハイタッチサービス」「ハイタッチなサービス」という言葉が使われることがあります。ハイタッチサービスとは、セールスやカスタマーサクセスなど、1対1での人的な関わりが多い事業・サービスを分類する言葉です。事業・サービスにおけるハイタッチについては、今後の記事で詳しく解説していきます。



なぜCS活動の大半はハイタッチから始まるのか?


なぜCS活動はハイタッチから始めるべきなのでしょうか。CS活動をハイタッチで始めるべき理由を解説します。


CS活動はハイタッチで「はじめるべき」であり「はじめざるを得ない」もの

ハイタッチはLTVが最も高い顧客をターゲットとし、テックタッチはLTVが最も低い顧客をターゲットとします。事業活動の立ち上げ初期は、重要度が低い顧客に投入するリソースがないため、ハイタッチに重点を置く必要があります。

ただし、1対1のやりとりがメインのハイタッチは工数がかかります。事業やサービスの属性によっては、FAQやチャットボット、チュートリアル動画などのテクノロジーを用いたテックタッチから始め、工数を削減したいと考えるかもしれません。しかし、事業やサービスのタッチモデルがどうであれ、まずハイタッチをしっかりとやりきることが重要です。



なぜビジネス・組織の「立ち上げ初期」はテックタッチではだめなのか

カスタマーサクセスのよくある失敗が、いきなりテックタッチから始めるケースです。ここでは、サブスクリプション型のサービスの例を挙げ、CS組織の立ち上げ初期にテックタッチが向かない理由を説明します。



サブスクリプション型のビジネスモデル

サブスクリプション型のサービスの場合、以下のサイクルを生み出すのが理想的なビジネスモデルです。

 

  1. ・ユーザーが日々サービスを利用する
  2. ・サービスの体験価値が大きくなる
  3. ・ユーザーの満足度が上がる
  4. ・サービスへの支払いが増える
  5. ・ユーザーのLTVが向上する

 

ユーザーのLTVを高めるほど事業の収益につながるのが、サブスクリプション型のサービスの特徴です。



CS活動の役割

カスタマーサクセスのミッションは、ユーザーの成功体験を後押しし、サービス利用→体験価値の向上→満足度アップのサイクルを長期化させる点にあります。そのためには、サービスの立ち上げからなるべく早い段階で、ユーザーのフィードバックからニーズを把握し、サービスに反映させる仕組みを確立させる必要があります。



結論:なぜビジネス・組織の「立ち上げ初期」はテックタッチではだめなのか

テックタッチ向けのコンテンツは準備するのに時間や手間がかかります。また、FAQやチャットボットなどから受け取った大量のフィードバックを分類し、VoC(顧客の声)を抽出するシステムも必要です。

CS組織の立ち上げ初期はスピード感が大切です。顧客との1対1のやりとりか直接ニーズを把握し、サービス改善に役立てていく方がフットワークが軽くなります。

カスタマーサクセスでは、サービスが成熟していくにつれて、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチの割合を最適化していく必要があります。


ハイタッチをダメにする属人化/強くする型化



ハイタッチで注意が必要なのが、属人化のリスクです。ハイタッチ活動の「型化」を進め、自動化すべき部分と有人で対応すべき部分を整理しましょう。


属人化へのスパイラル

サービスのリリース直後は顧客が少ないため、1対1で手厚くフォローできます。しかし、顧客が増えるにつれて、顧客からのレスポンスやフィードバックの処理に時間がかかるようになります。

また、CS組織の立ち上げ初期は、エクセルで情報を手動管理するなど、ツール自体も属人化しがちで、ほとんどの情報は担当者の頭の中にあります。

結果として、顧客をきめ細かくサポートしたり、必要なサービス改善を提案したりできず、顧客満足度の低下や解約リスク上昇につながります。これが、CS組織の立ち上げ初期に注意したい「属人化のスパイラル」です。


ハイタッチ活動の「型」化

属人化のスパイラルを回避するには、ハイタッチ活動の「型化」を進め、誰がやっても同じ成果を出せるよう、業務を標準化する必要があります。特に型化したいのが、サービス改善のプロセスです。サービス改善とは、顧客への提案やサービスの機能強化を通じて、顧客の問題解決に必要な情報や機能を提供していく業務を指します。

CS組織が成熟すると、最終的に全てのプロセスで型化が必要になりますが、重要なゴールはサービス改善の型化です。まずは型化に向けたステップを理解しましょう。


型化へのステップ

ハイタッチ活動の型化では、まず自動化すべき部分と人的に対応すべき部分を切り分ける必要があります。


フェーズ1「自動化部分」

まず、ハイタッチ活動に使うツールを集約し、ツールの乱立状態をなくしましょう。顧客との連絡ツール(ビジネスチャットツールやWeb会議ツール)や、顧客の情報を管理するツール(SFAやCRMなど)は、1つずつに絞ることが大切です。また、各ツールは連携可能なものを選び、情報共有に人手を割かないようにしましょう。顧客とのコミュニケーションから、フィードバックの整理、アクションに向けた情報の振り分けまで、シームレスに連携できるツールが必要です。


フェーズ2「人的対応部分」

顧客の情報を収集したら、定例会などを開催し、今後のサービス改善に向けたアイデアを検討します。この部分は自動化せず、人的に対応しましょう。ただし、顧客への提案は、タスク管理ツールなどを活用し、漏れなくスケジュール通りに行うことが大切です。




「型化」されたハイタッチCSが強みを発揮するシーン具体例3選



ここでは、ハイタッチの「型化」について、オンボーディング、チャーンリスク回避、アップセル・クロスセル提案の3つの具体例を元に解説します。


①オンボーディング

オンボーディングは、顧客との関係値の始まりともいえる業務です。顧客がサービスの使い方を学び、「自走」できるように導くプロセスを型化し、高い品質のレクチャーを安定して提供しましょう。ただし、オンボーディングを全て画一化すると、顧客ごとの悩みや課題に対応できません。顧客満足度を高めるには、顧客一人ひとりに合わせたきめ細やかな配慮も求められます。ハイタッチの中でも、特に人的なリソースが必要な活動であり、同時に醍醐味の一つでもあります。


②チャーンリスク回

チャーンリスクとは、顧客がサービスを解約する確率です。しっかりとしたハイタッチ活動を行っていれば、顧客がサービス解約を意識することはありません。チャーンリスクを回避する方法は、ハイタッチを通じた人間関係の構築です。

まずはコミュニケーションの頻度や形式(電話、メール、面談など)を決めて、コミュニケーションの型化を進めつつ、顧客の状況や環境に合わせた個別対応を織り交ぜていくことが大切です。


③アップセル・クロスセル提案

LTVが高い顧客に対しては、ハイタッチ活動を通じて積極的にアップセル・クロスセルを提案します。顧客のVOCを収集し、ニーズを把握するプロセスを型化できていれば、LTV拡大に向けた提案は自然にできます。顧客とのコミュニケーションを欠かさず、アップセルやクロスセルのタイミングを見逃さないように注意しましょう。



まとめ

CS活動の立ち上げ初期は、業務の大半が「ハイタッチ」に費やされます。ハイタッチには、属人化のスパイラルのリスクがあるため、業務の「型化」が重要です。特にオンボーディング、チャーンリスク回避、アップセル・クロスセル提案の3つのプロセスは型化のメリットが大きいため、優先的に業務内容を整理しましょう。





 

渡邉 剛

監修者情報:

渡邉 剛(わたなべ ごう)

ユニリタ自社開発のETLツール「Waha! Transformer」の導入教育/サポート、データ活用システム(ETL/DWH/BI)構築のプロジェクトマネージャーを歴任し、2018年にカスタマーサクセスチームの立上げ責任者を担当。
その経験からカスタマーサクセス専用ツールの必要性を実感し「Growwwing」の事業立上げをおこなう。
2020年7月の事業化からプロダクトマーケティングとカスタマーサクセスの責任者を担当。
カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」においてハイタッチ部 副部長も歴任。


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