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【応用編】お客様のホンネ、聞けていますか?SaaS事業に欠かせない「VoC」の集め方を伝授!

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【応用編】お客様のホンネ、聞けていますか?SaaS事業に欠かせない「VoC」の集め方を伝授!

目次

お客様は問題なく製品やサービスを使ってくれているように見えても、大抵の場合は、大なり小なりの不満を抱えているものです。不満は無かったとしても、「こうなればいいのに」という意見や要望は、ほぼすべてのお客様が持っていると考えるべきです。
しかし、自発的にこれらの「声」を発してもらえるケースは稀です。「製品やサービスの継続的な進化と、お客様の成果創出による継続的な利用」がキーとなるSaaS/サブスクリプション事業にとって、お客様のホンネであるVoC(Voice of Customer)を把握し、改善につなげていくことは絶対条件といえます。
そこで本記事では、VoCの種類や、収集後のアクションの重要性を解説します。
 


VoCの3つの種類



VoCとひとことにいっても、その中身はさまざまで、前向きな意見からネガティブなクレームまで、お客様の声はすべてVoCとみなします。カスタマーサクセス組織の役割は、お客様の実体験にもとづくVoCからホンネを抽出し、サービスやプロダクトの改善につなげていくことにあります。

しかし、お客様が自発的に「声」を発するケースは意外と少なく、受け身の姿勢では十分なVoCが集まりません。黙っていても寄せられるVoCでは知ることができない「戦略的なVoC収集」が必要です。とくにロイヤルカスタマーと呼ばれる、売り上げ貢献度が高く継続的で、かつ企業・ブランドに愛着が深い、上位のお客様から寄せられる声には留意すべきです。

 
ここでは、前者を受動的なVoC、後者を能動的なVoCとして区別し、それぞれの特徴を解説していきます。

 

お客様から寄せられる受動的なVoC

VoCの中には、お客様が感じた不満や気づきをきっかけとして、自発的に寄せられるものがあります。カスタマーサクセス組織がアクションを起こさなくても集まるため、受動的なVoCとして分類できます。たとえば、受動的なVoCの例として、以下のようなものがあります。

  • 疑問/質問
  • (前向きな)意見/要望/アドバイス
  • クレーム


受動的なVoCには、ネガティブなクレームだけでなく、「こうなればよりよくなる」という前向きな意見や要望、アドバイスも含まれています。サービスやプロダクトは、提供側の目線だけでなくお客様の立場になって考えなければ成長することができません。そのため受動的なVoCを積極的に取り入れ、サービスやプロダクトに反映させることが大切です。

ただし、クレームの対応といった緊急性・重要性の高いVoCの取り扱いには慎重に対応しましょう。一時窓口がカスタマーサクセス、カスタマーサポート、営業、いずれになる可能性もあり得ます。迅速かつ企業として誠実な対応ができるよう情報共有と対応のガイドラインが策定されているといったプロセスが整備されている状態が理想的です。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いについて詳しくは以下の記事をご覧ください。

【基礎編】カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いを6つの観点から解説!


 

能動的に収集すべきVoC【定量的なもの】

先述した通り、お客様が自発的に声を発する機会はそれほど多いわけではありません。VoCを収集するには、戦略的にお客様の声に耳を傾ける必要があります。こうした能動的なVoCは、定量的なもの(数字で表せるもの)と、定性的なもの(数字で表せないもの)の2種類に分けられます。
はじめに定量的なVoCから紹介していきます。顧客満足度(CSもしくはCSAT)とネットプロモータースコア(NPS)の2つの指標を活用します。

  • 顧客満足度(CSもしくはCSAT)
  • ネットプロモータースコア(NPS)


顧客満足度(Customer Satisfaction)は、サービスやプロダクトを利用したお客様の満足度を数値化した指標です。一般的な方法では、「非常に満足」「満足」「普通」「不満」「非常に不満」の5段階に分けて満足度を計測します。


一方、NPS(Net Promoter Score)は顧客満足度ではなく、サービスやプロダクトへの「愛着」を示す顧客ロイヤルティを計測するための指標です。一般的な方法では、「サービスやプロダクトをどの程度人に推奨したいか」といった設問を用意し、回答者のスコアを集計して顧客ロイヤルティを可視化します。


▶NPSについて
詳しくは以下の記事をご覧ください。

【総集編】NPSの特徴と効果的な活用法|基礎から具体的な実践方法と事例まで詳しく解説



能動的に収集すべきVoC【定性的なもの】

能動的なVoCには、定量的な情報だけでなく、数字で表せない定性的な情報もあります。たとえば、以下のようなVoCです。

  • 定例ミーティングの際の顧客の発言
  • 顧客からのメール文章
  • セミナー、イベントのアンケート回答コメント


定性的なVoCは、カスタマーサクセス組織の立ち上げ初期や、高LTVのお客様に対して行うハイタッチ活動(1対1でのきめ細かなサポートのこと)で収集するのが効率的です。定性的なVoCを収集する理由は、お客様の目に見えづらい「ホンネ」を把握し、サービスの利用停止や解約を未然に防ぐためです。
お客様から自発的に寄せられる疑問/質問、意見/要望/アドバイス、クレームなどのVoCは、発せられた時点ですでにお客様の意思が顕在化しており、対応の緊急性が高い状態とされます。そのためお客様の希望の実現(他社への乗り換えなど)や、不満の解消(解約など)といったアクションが早期に行われてしまい、時間的な猶予はほとんどありません。


定性的なVoCは、そうした「顕在的な声」になる前の「ホンネ」の宝庫です。たとえば、CS担当者との1対1のやりとりで、お客様がリアルな心理や感情をポツリと漏らすことがあります。

定期的なVoCを収集するときは、よい話ばかり聞くのではなく、「不満の種」をお客様が発言しやすい環境づくりとヒアリングをおこなうようにしましょう。お客様の不満が顕在化する前に「ホンネ」を把握することで、先回りして改善の一手を打つことができます。


したがって定量的なVoCばかり収集するのではなく、定性的なVoCにも耳を傾けることが大切です。


 

VoCの「収集」は手段!目的は収集後の活動とサービスの改善


VoCに関するよくある失敗例は4つあります。

  • VoCを収集するだけで満足してしまい、行動につながらない
  • 「不満足」を表すVoCを放置する
  • 収集したVoCを生データのままで管理し、分析用に整形していない
  • 定量的なVoCだけで判断し、定性的なVoCをみていない


とくに多いのが、VoCを収集しただけで満足してしまい、お客様のホンネがサービス改善に結びついていないケースです。VoCの収集はあくまでも手段であり、収集後の活動が重要といえます。ここでは、VoCの集め方や収集するときのポイントを解説していきます。

 

VoCの収集で満足せず、次のアクションにつなげる

VoCを収集する目的は、収集したお客様の声をその先のカスタマーサクセス活動やサービス改善に生かすためです。しかし、カスタマーサクセス組織によく見られるのが、VoCを収集しただけで満足し、次のアクションにつながらないケースです。重要なのは、お客様から寄せられた要望・クレーム・アドバイスを積極的に取り入れ、カスタマーサクセス活動を最適化していく取り組みにあります。つまりVoCの手段と目的が入れ替わらないように注意することが大切です。



お客様の「不満足」を表すVoCは早期解決する

収集したVoCの中で、プロダクトへの疑問/質問、サービスに対するクレームにあたるものは、お客様のネガティブな感情を表すVoCです。サービス改善以前の問題のため、こうしたVoCをキャッチしたら、問題の早期解決に取り組みましょう。お客様の「不満足」を表すVoCを放置していると、サービスの利用停止や解約につながる恐れがあります。

 

意見/要望は必ずカテゴライズする

意見/要望に属するVoCは、サービス改善に向けた貴重なヒントを含んでいます。しかし、内容が雑多であることが多く、そのままではうまく活用できません。サービスへの意見/要望が寄せられたら、必ず内容別にカテゴライズしましょう。また、寄せられたVoCの「量」や「重要度」をしっかりと計測しら優先順位をつけてカスタマーサクセス活動やサービス改善に生かすことが大切です。


定量的なVoCは定性的なVoCと組み合わせる

VoC収集後のカスタマーサクセス活動によくある落とし穴のひとつが、CSATやNPSなどの定量的なVoCのみに着目してしまうことです。定量的なVoCは扱いやすいため、ついつい数字やデータに依存しがちです。しかし、定量的なVoCは定性的なVoCと組み合わせることで、「どのようなアクションを起こすべきか」をより深掘りできます。

たとえば、「定量的なVoCの感触が悪いためにアプローチを進めようとするが、既に発信されていたアンケートのコメントを見逃し、さらなる不満を抱かせてしまった」といったズレが生じることがあります。これは、数字やデータにはあらわれない、お客様の声なき声を見落としているからです。この対策としては、定量データと定性データをどちらも一元管理し可視化できる環境を整備することが挙げられます。また、お客様とのコミュニケーションの記録をデータとして残し、管理・共有できるようにしましょう。定量データに依存せず、お客様のおかれた状況やマインドをしっかり把握したうえで、ヒアリングや提案に繋げていくことが、問題解決に繋がっていくはずです。





まとめ

サービスやプロダクトをより良くしていくには、提供側の目線だけでなく、お客様の目線で改善点を探すことが大切です。さまざまな手段でVoCを収集することで、サービス改善につながる要望・クレーム・アドバイスを抽出することができます。VoCの中には、お客様から寄せられる受動的なVoCだけでなく、能動的に収集すべきVoCもあります。お客様が自発的に声をあげる機会はそれほど多くないため、戦略的にお客様の声を収集していく姿勢が必要です。

またVoCの収集は、あくまでも手段にすぎません。VoCを収集する狙いは、その先のカスタマーサクセス活動や、サービスの改善にあります。VoCを収集しただけで満足せず、次のアクションにつなげていくことが大切です。

尾上 雄馬

執筆者情報:

尾上 雄馬(おのうえ ゆうま)

2007年に株式会社ビーエスピー(現ユニリタ)入社。
ITサービス向けヘルプデスクSaaS「LMIS」を新規開発から開発を担当。
開発業務の傍らサポートも兼務していたが、解約率の高まりに危機感を感じ、2017年より同サービスのカスタマーサクセスチームを立ち上げ責任者を担当。
カスタマーサクセス管理用のツールを内製し、解約率半減を実現。
この管理ツールを汎用化し、Salesforce上で稼働するカスタマーサクセス管理SaaS「Growwwing」として販売開始、2020年7月より事業化し責任者を担当。
itSMF JapanにおいてクラウドSLA分科会副座長、サービスカタログ分科会座長も歴任。


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