Growwwth Noteは、SaaS / サブスクリプションの事業成長を目指す、
すべてのビジネスパーソンのためのカスタマーサクセスメディアです。

  1. Growwwth Note
  2. カスタマーサクセス カスタマーサクセス基本 カスタマーサクセス実践
  3. 【応用編】コストセンターとは呼ばせない!カスタマーサクセス導入時の上司説得方法

【応用編】コストセンターとは呼ばせない!カスタマーサクセス導入時の上司説得方法

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【応用編】コストセンターとは呼ばせない!カスタマーサクセス導入時の上司説得方法

カスタマーサクセス組織を立ち上げるときは、上層部の理解を得ることが大切です。現場担当者がカスタマーサクセスの重要性を深く理解し、メリットを伝えましょう。カスタマーサクセス組織をプロフィットセンターとするには、LTVなどのKPIの設定が重要です。

 


カスタマーサクセス組織の立ち上げにおいては「経営層や上層部」が障害となることが多く、その理由としては理解を得れないことに起因しています。そこで、上層部の理解を得るには、現場担当者がカスタマーサクセスの概念と重要性を深く理解し、メリットを言語化する必要があります。本記事では、カスタマーサクセス組織が収益に大きく貢献するプロフィットセンターである理由や、サブスクリプションビジネスにおける重要性を解説し、上層部を説得するための材料を提供します。


 


カスタマーサクセスにメリットを感じない理由


カスタマーサクセス組織の立ち上げにおいて障害となりうるのが「経営層や上層部の理解が得られないこと」ですが、上層部がカスタマーサクセス組織の立ち上げに難色を示すのは、カスタマーサクセスの活動内容や効果がイメージしづらいことと、カスタマーサクセス=コストセンター(利益拡大のイメージがない)という2つの誤解に原因があります。

 

カスタマーサクセスを無理やり推進するのではなく、なぜ上層部がカスタマーサクセスにメリットを感じないのかを理解することが大切です。

<参考:カスタマーサクセスとは?


カスタマーサクセスで実現できることのイメージがない

バーチャレクス・コンサルティング株式会社のカスタマーサクセスに関する実態調査(2022年)によると、カスタマーサクセスにメリットを感じない人は毎年一定数存在しています。自社において「現在はカスタマーサクセスに取り組んでいないが必要性を感じている」と答えた250人に対して、「実際にカスタマーサクセスの取り組みを始めることになった場合障害になりそうなことは何か」を尋ねたところ、40.8%が「経営層/上層部の理解が得られない」という回答がありました。この数値は昨年調査(20.0%)の倍以上に増加しています。[注1]


【カスタマーサクセスの取り組みを始めることになった場合障害になりそうなこと(3位まで)】

経営層/上層部の理解が得られない 40.8%
人材・組織体制が不十分 28.0%
進め方や相談する人がいない 21.6%



また、現在カスタマーサクセスに取り組んでいない企業に対象を絞ると、30.8%の割合で「いまいちメリットを感じられない」と回答しています。

上層部にカスタマーサクセスのメリットが伝わらない理由のひとつは、そもそもカスタマーサクセスの概念に馴染みがなく、カスタマーサクセスを通じて実現できることのイメージが沸かないためです。カスタマーサクセス組織の立ち上げに当たって、「カスタマーサクセスで何が実現できるか」を上層部に提案することが、最初の関門となります。


[注1] バーチャレクス・コンサルティング株式会社
「【2022年カスタマーサクセスに関する実態調査】「カスタマーサクセスのメリット感じない」一定数いる中非サブスク企業の間で少しずつ広まりつつあるその必要性と重要性」

 

  

カスタマーサクセスは利益拡大のイメージがない

また、上層部に「カスタマーサクセスはコストセンターである」と考える人が一定数存在するのも、カスタマーサクセスに向けた取り組みが進まない原因のひとつです。商談や案件を獲得する営業部門などと異なり、カスタマーサクセスには直接数字に結びつかないイメージが根強く残っています。しかし、後の項目で紹介するとおり、カスタマーサクセス組織はコストセンターではありません。適切なKPIを設定することで、カスタマーサクセス組織を収益を生み出すプロフィットセンターとすることが可能です。

現場担当者を中心として、カスタマーサクセスに取り組むメリットと、取り組まないことで生じるデメリット(リスク)を整理し、組織全体でカスタマーサクセスに取り組む流れを作っていきましょう。


 

カスタマーサクセスの概念を共通認識にする重要性


上層部を説得するには、現場担当者がカスタマーサクセスの概念を深く理解し、その重要性を言語化する必要があります。昨今のビジネスモデルの変化や、サブスクリプションビジネスにおける継続利用の重要性を踏まえて、カスタマーサクセス組織の役割を再定義しましょう。ここでは、カスタマーサクセスの概念を共通認識にすることが重要な理由を2つ紹介します。

 

ビジネスにおける形態の変化を捉え、組織やプロセスを最適化しなければビジネスは衰退する

市場の価格競争が激化したことや、サブスクリプションビジネスの台頭によって、製品やサービスを「売って終わり」の時代は終焉を迎えました。たとえば、総務省の令和3年版情報通信白書をみると、動画配信サービスや音楽配信サービスなどの市場において、定額制(サブスクリプション)サービスのシェアが急成長しており、従来のダウンロード課金型サービスのシェアを大きく上回っています。[注2]

サブスクリプションビジネスにおける利益を最大化するには、契約後も顧客と良好な関係を築き、顧客のビジネスの成功に向けて手厚くフォローすることが大切です。こうしたビジネスにおける形態の変化を踏まえて、あらためてビジネスモデルや各組織の役割・KPIを再定義する必要があります。

しかし、カスタマーサクセスの認知度は、国内ではまだまだ低いのが現状です。だからこそ、早い段階からカスタマーサクセス組織を立ち上げることで、競合他社との差別化につながります。

[注2] 総務省「令和3年版情報通信白書 第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済」



定期課金を継続させ、顧客獲得コストを回収できなければビジネスは続かない

サブスクリプションビジネスの収益を最大化するには、顧客にできるだけ長く契約してもらい、定期課金を継続させる必要があります。せっかくサービスの契約に至っても、すぐに解約されると顧客獲得コストを回収できません。

 

定期課金を継続させるには、顧客一人ひとりと向き合って、長期的な関係を築くことが大切です。そのために不可欠なのが、カスタマーサクセスです。能動的なアクションによって顧客の成功を支援し、商品やサービスに対する満足度を向上させることにより、初めて解約を防止できます。カスタマーサクセスは、収益に直結しないコストセンターではなく、契約の継続を促すために欠かせないプロフィットセンターであるという認識を持ちましょう。




全社のハブとなり、顧客との窓口になるカスタマーサクセス


カスタマーサクセスには、顧客の窓口となって、顧客から得た情報を全社横断的にフィードバックする「情報共有におけるハブ」の役割があります。カスタマーサクセス組織が収集した顧客の生の声(VoC:Voice of Customer )をサービスやプロダクトに反映することで、市場や顧客課題の変化をいち早く捉えることができ、ビジネスやプロダクトの継続的な改善と進化に
寄与するビジネスプロセスを構築することができます。






顧客の状況を可視化し、経営の意思決定に繋げる指標を提案できる

企業と顧客の窓口になるのが、カスタマーサクセスの担当者です。カスタマーサクセスの仕事は、単なる顧客対応ではありません。マーケティングやセールスなど、他部署と連携しながら、顧客データを蓄積する「ハブ」としての役割を果たします。たとえば、カスタマーサクセス組織に蓄積されるデータとして、以下のようなものがあります。


  • ・ヘルススコア
  • ・解約率
  • ・アップセル/クロスセル率
  • ・NPS(ネットプロモータースコア)
  • ・オンボーディング完了率


カスタマーサクセス組織は、顧客から得た情報を全社横断的にフィードバックするための起点です。各種指標を収集・見える化することで、経営側で戦略検討する際に、ビジネスの未来をより明確に描くことができます。



まとめ

カスタマーサクセスの立ち上げが思うようにいかない原因のひとつは、経営層や上層部との認識のギャップがあることを説明しました。カスタマーサクセスの概念に馴染みがない人は、カスタマーサクセスが利益拡大につながっていくイメージができず、メリットを感じられません。そのため、近年のビジネスにおける形態の変化や、サブスクリプションビジネスの収益構造を踏まえ、カスタマーサクセスの役割を再定義し、上層部に提案することで共通認識を得ることが大切です。カスタマーサクセス組織は、LTVやチャーンレート、アップセル率やクロスセル率など、収益に関わるKPIを設定し活動をおこなっていくことでプロフィットセンターとなります。カスタマーサクセスのメリットを整理し、上層部を仲間とするための材料をそろえましょう。

渡邉 剛

執筆者情報:

渡邉 剛(わたなべ ごう)

ユニリタ自社開発のETLツール「Waha! Transformer」の導入教育/サポート、データ活用システム(ETL/DWH/BI)構築のプロジェクトマネージャーを歴任し、2018年にカスタマーサクセスチームの立上げ責任者を担当。
その経験からカスタマーサクセス専用ツールの必要性を実感し「Growwwing」の事業立上げをおこなう。
2020年7月の事業化からプロダクトマーケティングとカスタマーサクセスの責任者を担当。
カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」においてハイタッチ部 副部長も歴任。


『Growwwing 』サービス資料を無料でダウンロード

『Growwwing 』サービス資料を無料でダウンロード

LTV最大化のためのカスタマーサクセスプラットフォーム『Growwwing グローウィング』のサービス資料を無料でダウンロードいただけます。
『Growwwing グローウィング 』は、解約防止とネガティブチャーンを達成する顧客管理が実現。Salesforceとの相性は全ツールNo.1です。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お役立ち情報

“取材・記事掲載
無料キャンペーン”中

“貴社のカスタマーサクセス実践体験を無料でPRしてみませんか?
これからカスタマーサクセスを始める方へのヒントになり、
勇気を与える貴社の物語を聞かせてください”