【基礎編】【SaaSで重要】チャーンレートとは?平均値と計算式、施策を解説
「チャーンレート」(解約率)とは、SaaS(Software as a Service)やサブスクリプションサービスといったビジネスモデルにおいて、特に重要視される指標です。
この記事では、チャーンレートの概念、重要性、種類をはじめ、計算式やそれ(解約)を防止するための方法を解説致します。
チャーン(解約)、チャーンレート(解約率)とは?
「チャーン(Churn)」とは「解約」を意味します。「チャーンレート(Churn Rate)」は「解約率」と訳され、顧客がサービスを解約する割合を示したもので、「顧客離脱率」や「退会率」などといわれることもあります。
昨今では、NetflixやYouTube PremiumなどのWEBサービスからカーシェアやジムなどのリアルな価値提供ビジネスまで、様々なサービスがサブスクリプションとして存在しています。
どの企業も有料会員の解約や退会を防ぐために、継続されやすいサービスを目指して取り組んでいます。
カスタマーサクセスによって育成し、継続的に観測すべきは「行動基準」となります。以下より詳しく触れていきましょう。
チャーンレートの重要性(サブスクリプションやSaaSに必要不可欠)
それでは、なぜチャーンレート(解約率)が重要視されるのでしょうか。
理由は「サブスクリプションサービスやSaaS事業の収益に直結し、サービス改善の指標になるため」です。
なぜなら、有料会員の新規獲得よりも解約の方が多いと、赤字の状態になるからです。さらに解約の理由を深堀りしてみると、サービスがなぜ解約されたのかを把握することできます。
つまり、継続的な収益の確保やサービスの品質向上のためにチャーンレート(解約率)が未来の事業の成長に必須であるということです。
チャーンレートの種類
カスタマーチャーンレート
カスタマーチャーンレートは、解約した「顧客数」をもとに算出するチャーンレートを表します。
一定期間に離脱したユーザーや、有料会員から無料会員にダウングレードしたユーザーの「数」の割合を示します。
よく言われる「チャーンレート」は「カスタマーチャーンレート」のことを指します。
レベニューチャーンレート
レベニューチャーンレートは、一定期間における損失を表す指標となり、収益ベースで解約を計算します。「顧客数」だけではなく、本来得られた収益をどれぐらい損失したのかを把握するために使用します。
例えば、サブスクリプションで松竹梅の価格帯で構成されたサービスを提供している場合、顧客数の解約が多くても、低価格帯の顧客からの解約が大半であれば、レベニューチャーンレートはそこまで高くはないといえます。
チャーレートの平均数値や計算式を解説
ここまで、チャーンレートの概念や重要性、種類などを解説してきました。続いて、チャーンレートの平均数値や計算式を解説いたします。チャーンレートの平均値は、約3〜10%程度と言われています。
(参考:Recurlyプラットフォームのサブスクリプション請求を処理する1,500を超えるサブスクリプションサイトのサンプル)
サービスやターゲット(BtoC or BtoB)によって異なります。
一例として、BtoCサービスではおよそ7.5%程度、BtoBサービスでは約6.3%が平均というデータが出ております。最初に自社サービスが属するカテゴリーの平均値や、それを踏まえた目標値を設定・把握しておきましょう。
チャーンレートの計算式
カスタマーチャーンレートの計算式
カスタマーチャーンレート=今月解約された会員数/前月の会員数
(カスタマーチャーンレート(5%)=今月解約された会員数(5)/前月の会員数(100))
月次や年間でカスタマーチャーンレートを計算することができます。
レベニューチャーンレートの計算式
レベニューチャーンレート=(サービス単価 × 今月解約されたアカウント数)/今月の総収益
(レベニューチャーンレート(1.6%)=(サービス単価(10,000)×今月解約されたアカウント数(5))/今月の総収益(3,000,000))
複数のプランにて解約がおきた場合には、サービス単価と解約されたアカウントをかけ、各プランごとに数値を足し今月の総収益で割ることで算出することができます。
レベニューチャーンレート=(サービスA単価 × サービスAの解約数)+(サービスB単価 × サービスBの解約数)/今月の総収益
(レベニューチャーンレート(6.1%)=(サービスA単価(10,000) × サービスAの解約数(5))+(サービスB単価(50,000) × サービスBの解約数(10))今月の総収益(9,000,000))
チャーンレートの平均値と計算方法を把握したら、自社サービスのチャーンレートを算出してみましょう。
チャーン(解約)を防止するための方法
自社サービスのチャーンレートを把握できたら、次はチャーン(解約)を防止していきましょう。ここではより多くのチャーンを防ぐための方法をご紹介していきます。
チャーン(解約)の原因を把握する
法人向けサービスの場合、大半の原因はオンボーディングが多いです。
導入手順が複雑だったり、機能の使い方がわかりずらかったり、オンボーディング期間が長すぎたりするケースが当てはまります。
解決方法としては、サービス導入後に、いかに素早く小さな成功を体験してもらうかがポイントです。オンボーディング期間を短く、導入手順も簡略化し、活用事例も用意しておくことで、素早く成功体験をもたらすことを意識しましょう。
チャーンレートを月次、年次で定期的に分析する
チャーンレート(解約率)は月次、年次で算出し、定期的に分析していきましょう。グラフを用いたレポートなどで進捗を素早く確認できるように準備し、定例会などで数値の進捗を確認しながら分析していきましょう。例えば、「この時期はこの解約理由が多い」、「競合がキャンペーンを打ち出したので解約された」など、時期と解約理由を照らし合わせ、定期的に分析することで、早期に解決策を編み出すできるでしょう。
チャーンレートを下げる
チャーン(解約)を防ぐためには、チャーンレート(解約率)を下げるのが効果的です。詳細は下記記事を参考にしてみてください。
チャーンレートとLTVの関係性
サブスクサービスの事業性を評価する指標として「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」の重要性が増しています。
LTVとは、一人の顧客が生涯のうちにどれだけの利益を企業にもたらすかを算出したものです。詳細は「「LTV(Life Time Value)とは?」を「算出方法」と「最大化手法」の理解から紐解く」を参考にしてください。
LTV = 平均購買単価 × 平均購買頻度 × 平均継続期間
(LTV(¥180,000)=平均購買単価(¥10,000) × 平均購買頻度(3回) × 平均継続期間(6ヶ月 ))
一般的なLTVの計算式は上記の方法で求めることができます。
その他の具体的な計算方法などは「LTVの計算方法」を参考にしてください。
SaaSやサブスクリプションのサービスを提供していくうえでチャーンレート(解約率)の重要性を理解し、会社全体で定期的に分析しチャーン(解約)の防止を効率良く実行していきましょう。
執筆者情報:
松本 隼陽(まつもと じゅんや)
2018年にBtoCスタートップ企業に入社後、訪問営業を経験。 2019年にエンジニアリング会社へ転職し、開発・運用保守・サポートの現場を経験。 その後、2022年に株式会社ユニリタに転職し、カスタマーサクセスチームのリーダーとして、オンボーディング支援やセミナー講師を担当するなど日々奮闘中。
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