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【サクセスボイス Vol.10】カスタマーサクセス天下一武闘会2023優勝の超ハイタッチCSMが登場!株式会社Leaner Technologies織茂さんが語る、顧客深耕の情熱とサクセスロジック

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【サクセスボイス Vol.10】カスタマーサクセス天下一武闘会2023優勝の超ハイタッチCSMが登場!株式会社Leaner Technologies織茂さんが語る、顧客深耕の情熱とサクセスロジック

Growwwth Noteは、すべてのビジネスマンのためのカスタマーサクセスメディアです。

初心者からCSにどっぷりのツワモノまで、幅広い読者にお楽しみいただけるコンテンツをお届けしています。

 

今回は、リアルな企業によるリアルなカスタマーサクセスを紹介する【サクセスボイス】第10弾!カスタマーサクセス天下一武闘会2023優勝者の超ハイタッチCSM、株式会社Leaner Technologies 織茂尚之(おりも なおゆき)氏から話をうかがうことができました。

 

エンタープライズセールスの経験を活かし、超ハイタッチ型カスタマーサクセスでお客様のサクセスに伴走する。若きカスタマーサクセスマネージャーの「業界のスタンダード変革を目指す熱波」をご堪能ください。








エンタープライズセールスからカスタマーサクセスの立ち上げ責任者へ




最初に自己紹介をお願いします

株式会社Leaner Technologies / カスタマーサクセス部門責任者 / 織茂尚之(おりも なおゆき)です。

(簡単に経歴も教えてください)

2016年に新卒でリクルートジョブズに入社後、5年間HR領域のエンタープライズセールスを経て、2020年に株式会社Leaner Technologiesにジョインしました。株式会社Leaner Technologiesでは、Salesチームを経て、調達力を強化するソーシングDXクラウド『Leaner見積』のカスタマーサクセスチームの立ち上げ、現在は責任者を務めています。好きなことは商談とサウナで熱波を送ることです!



Leaner Technologiesにジョインされた経緯を教えてください

成熟領域で新しいことをするよりも「自分がマーケットを新しく作ったり、日本を変えるくらいのインパクトが残せるような仕事」にチャレンジしたい、そう思っていました。成熟領域の場合、マーケットシェアを守るために競合対策を考えたりすることが多く、私自身が向き合いたいお客様や新しいマーケットへの想いと乖離してました。

また、「お客様の成功と事業の成功が比例するビジネスモデルで活躍したかった」という想いが生まれていました。当時、向き合っていた人事担当者や店舗開発担当者の「採用に対するゴール」は”要員が充足すること”でした。じゃあ、充足するとどうなるかというと”予算が減る”んですよ。つまり、お客様を成功に導くほど、自社の業績は達成しにくくなる。この矛盾と、お客様の成功と自社の業績が循環しないところに違和感を感じていました。もちろん、新しい雇用や採用の機会を生みにいったり、お客様が事業拡大していると採用は増えていくのですが、事業拡大そのものを自社のサービスが直接的に貢献できるビジネスモデルに関わりたい。それを叶えるには、SaaSが良いのではないか。そう考え、BtoB SaaSのスタートアップを見始めました。

最後に、私はリーダーシップ型のマネジメントに強い憧れを持っています。何故なら、「事業を先導していく」「マーケットを切り拓いていく」人はリーダーシップが強いと感じるからです。当時、マネージャーにキャリアップする直前で転職したのですが、業績管理やピープルマネジメントは組織拡大のために必須だと考えていたものの、直近では事業と組織をゼロから創ることのできる環境を求め、プレシリーズAのBtoB SaaSのスタートアップでのチャレンジに踏み切りました。

 

(Leaner Technologiesとは、どのような出会いだったのでしょうか?)

先に入社していた元同僚から誘われたことがきっかけです。そこで初めてLeaner Technologiesを知って、調べました。市場が全くできておらず、競合もいない。自分たちの頑張り次第でマーケットを作る領域がまだあったんだと衝撃をうけました。

当時、私たちが向き合っている「調達」領域のSaaSプレーヤーがほとんどいない状態でした。調達業務が数十年変わらないシステム・手法で続けられているという事実もあり、「新しくマーケットを作っていく」側のプレーヤーになれそうだと感じました。

 

(それが転職の決め手でしょうか?)

はい。それに加えて、「コトに向き合う姿勢が突き抜けてるメンバー」が多かったことがもう一つの決め手となっています。気持ちいいくらいに日本を主語に語る同世代のメンバーが、高い目標に誰も疑いなく挑んでいる。それを目の当たりにして、自分がキャリアで悩んでいることがちっぽけに感じました。そして、その環境で働く自分を想像して、そこが一番熱量が上がると感じた瞬間でもありました。そこで、Leaner Technologiesの6人目としてジョインを決めました。




 

目指すはJapan as No.1!最後に残されたアナログ領域「調達・購買」をDXし、世界を席巻した日本企業の繁栄を取り戻す!

 

Leaner Technologiesについて教えてください



Leaner Technologiesは、日本における調達・購買部門のスタンダードを刷新することで、”Japan as No.1”を目指している、現在T2D3のT1を駆け抜けている創業5期目のスタートアップ企業です。

良い製品を世の中へ提供するには、良いモノを仕入れることが非常に重要です。調達力を強化するということはコストが抑えられ、新技術や開発への投資で競争優位性や差別化を図ることができる、収益性と成長性の高い筋肉質な企業を作ることに繋がります。

”Japan as No.1”を目指すために重要な経営課題「調達・購買部門のスタンダードを刷新すること」を、Leanerで実現します。

 

「Leaner見積」について詳しく教えてください


「Leaner見積」は、BtoBのエンタープライズ向けの『ソーシング(※)DXクラウド』です。
※ソーシング ≒ 見積依頼~比較~価格/条件の査定プロセス

調達の最先端を走るトヨタグループ、ニデックグループを筆頭に、製造業やホテル / 小売業界を中心とした幅広い業種・規模のお客様にご活用いただいています。


(ソーシングDXクラウド、ですか?)
調達プロセスは「こういうモノが欲しい」「こういった製品を作るために、こういう部品を仕入れないといけない」という要件定義がスタートにあります。要件定義をすると、調達部門に購入の見積および価格選定を依頼する、いわゆる購買依頼 / 要求依頼と呼ばれるプロセスがおこなわれます。

その後、購買部門がサプライヤー選定や価格選定をおこなったうえで正式発注があり、検収後に請求・支払処理や契約管理などが発生するため、プロセスの全体像としては非常に裾野が広い領域です。その中でも、特に経営インパクトが大きい箇所が、サプライヤー選定や仕入れ先の決定といったソーシングプロセスになります。

その部分に特化して、デジタル化を実現するクラウドサービスが「Leaner見積」となります。最近は「Leaner購買」というサービスも新しく提供開始することで、価値提供領域を広げています。

 

(「Leaner見積」のコンセプトや特徴について教えてください)
思想としては「企業のBtoBにおける買い物をすべて科学し、データとして見える化する」ことを目指しています。

実は、この領域の機能は従来のシステムにも備わっています。しかし、海外製であることから日本の商習慣とのギャップがあったり、システムの仕様が古すぎて現代の購買業務に合わないといったギャップが発生しているのが現実です。そうなるとシステムは導入しているけど使いづらく、実態はメールで対応していたり、自社独自のアナログな手法を使っているケースが非常に多くあります。

日本が海外と比較し、デジタル化が遅れているのもそれが影響しています。自社独自でスクラッチ開発したとしても開発に3~4年かかってしまうと導入時には時代遅れになりつつある、そういった状況が発生しています。

そのため「Leaner見積」は3つの強みを掲げて、それらの悩みを解決しています。

強み①:誰でもすぐ使える(活用率が低い≒使いづらい→新人でもすぐ使える)
強み②:すぐ導入できる(従来1~2年かかる→1カ月あれば導入できる)
強み③:業務の効率化+属人化の解消+コストの適性化をセットで実現でき、現場も経営も嬉しい




超ハイタッチから生まれる100%のカスタマーサクセスにこだわり抜いた理論と情熱

 

「Leaner見積」のカスタマーサクセス組織について教えてください


事業部制を採用していて、プロダクト単位でSales / CS / Devの組織が存在しています。
「Leaner見積」事業部のカスタマーサクセス組織は11名のチームです。責任者の私を含めて5名のCSチーム、Opsチームはマネージャー1名の下にアルバイトの方が5名ほど稼働しています。

 

(どのようなきっかけでカスタマーサクセス組織の立上げを開始したのでしょうか?)

はじめは、セールスとカスタマーサクセスの壁はなく、自分が成約を決めた案件はサクセスまでを一気通貫でおこなってました。兼務で(セールス)6:(CS)4くらいの割合です。お客様の社数が30社前後になったタイミングで専属の必要性を感じ、自ら立候補して2021年4月からカスタマーサクセスの立上げをはじめています。

最初は、私とOpsチームの3名で立上げをおこない、その後、拡大を続けて現在のチーム規模になりました。直近で2名ほど採用を決めているので、カスタマーサクセス組織の規模は継続的に拡大し続けています。

 

(カスタマーサクセス組織のミッションと各チームの役割について教えてください)

大きな方針として「NRR最大化」を掲げており、具体的には、今期はNRR120%水準を追いかけています。

CSチームは日々の顧客対応をメインにおこなっており、OpsチームはCSチームの業務支援とカスタマーサポート(問い合わせ窓口)の役割を担っています。Opsチームが日々の問い合わせ対応を一手に引き受けてくれているため、少数精鋭のCSチームが超ハイタッチに顧客対応をおこなうことができています。

 

(事業部間やセールス / Devとの関わりについても教えてください)

私は、立ち上げ期のシリーズAくらいまでは事業部制が非常に大事だと感じています。まだまだプロダクト間でクロスセル商材が確立できてない状況です。そのため、事業部間で横断的にコミュニケーションをおこなうメリットは少なく、一方で事業部内のセールス / CS / Dev間におけるコミュニケーションは非常に密におこなう必要があると感じています。

特に、「どのターゲットだったら、お客様をサクセスさせられるか」「どのターゲットだったら、売りやすいのか」を共通認識にすることが重要です。売りやすいところがどこなのか、投資してでも解決したいペインがプロダクトで解決できるのか、個社別のカスタマイズではなく汎用的に解決できるのか。これをセールス / CS / Devが密にコミュニケーションを取りながら同じ目線で行動できているかが商談成約とプロダクト強化を加速させることに繋がります。なので、事業部制に私たちはこだわり、その中でCSはコミュニケーションのハブとして、中心的な役割を担っています。



解約ゼロを実現するオンボーディングの秘訣を教えてください


(オンボーディングの定義について教えてください)
私は、Leaner見積を「顧客のアウトカムを得るために必要な基盤」だと考えています。オンボーディングでは、その基盤を100%担保している状態を目指しています。

具体的には、オンボーディング期間を「契約開始から、プロダクトの活用率100%になるところまで」と定義しています。これは、メールやFaxのような従来通りの手法で見積依頼がされていない状態を実現するということです。

それに加え、オンボーディング完了条件を「全関係者がプロダクトを利用している状態」に定めています。Leaner見積を利用するユーザーは、見積を依頼するバイヤーと、見積に応えるサプライヤーです。両者が100%利用できているかを重視しています。

(活用率100%は、どのように測定・評価しているんでしょうか?)
そこは正直ヒアリングです。


(ヒアリングは誰におこなって、どのように比率化されているんでしょうか?)
バイヤーとサプライヤーで指標が分かれています。サプライヤーは、最初にヒアリングしたアカウント数が100%登録していることを測定しています。アカウント登録していただけないと、そもそも利用することができないので、第一関門を突破したかどうかを測定しています。また、オンボーディング後は、四半期に一回見積をとる対象をリストアップいただいて、それが100%使えているかを測定しています。

バイヤーの場合は、部課長クラスの推進者に「Leaner見積以外でサプライヤーに見積しましたか?」というヒアリングをおこないます。もし、Leaner見積以外を使っていた場合は、何故そうしてしまったかを深掘りし、問題がプロダクト機能にあるのか、運用にあるのかを特定して改善計画を考えていきます。

(オンボーディング後の解約率はどのくらいでしょうか?)
今まで解約はゼロ件です。

(解約ゼロは驚異的ですね!秘訣はありますか?)

私たちは、このオンボーディング指標に2年悩み続けてたどり着きました。「プロダクト上で漏れなくモニタリングできる指標の方が良いのでは?」という意見もあり、「1人あたり10件使えてる状態」のような指標を評価していた時期もあります。しかし、見積業務において、お客様がFaxやメール等の「Leaner見積以外で見積をしているか」をプロダクトで測定することは現実的ではありませんでした。そのため、測定はヒアリング方式を採用しているのですが、たとえ計測しづらかったとしても「プロダクトの高活用状態を作り、お客様のアウトカムを生むために全員が利用している」ことがデータ化と生産性向上という価値に繋がっていくと信じているので、成果から逆算したオンボーディング達成基準をおくことにこだわりをもってヒアリングをしています。

 

オンボーディング期間を20週→6週に短縮させた取り組みについて教えてください

根本原因は「期中で予算獲得ができないことによる、オンボーディング期間の集中」です。同時期にオンボーディングが過剰に集中するため、1社1社のミーティング間隔が広がっていました。

高単価SaaSだと元々の予算がないことから、新規予算を作りにいく営業活動がメインになります。そうなると、年度予算や上期・下期予算のタイミングに集中しがちです。

Leaner見積の場合は、特に4月の成約が7〜9割を占めていました。それを私を含めた2名が中心となって1人20社くらい同時にオンボーディングをしていく。しかもオフラインで全国出張なので、1日1社しか訪問できない。オンボーディングが極端に無い月もあり、リソースが空くという状況でした。


(それは辛いですね。どうやって解決したんですか?)


トライアル施策をおこないました。4月に成約いただくお客様は、前年度の5~6月に営業開始することが多いです。そうなると営業のリードタイムが長くなり、オンボーディング期間も集中するので良いことがありません。まずはトライアルを利用開始いただいて、予算内でオンボーディングを先行しておこなっていく。そうすることで、うまくオンボーディング時期を分散できました。この施策で8週間は期間を縮めることができています。

また、Opsチーム側でオンボーディング中の対応を一部リードできるようにしたことで、リソースの分散とQ&Aの期間短縮を実現しました。

当時は、立ち上げ期の中で1社も落とせないプレッシャーがあり、全てを自分がしないと不安でした。もし解約したら、営業チームが「別のターゲットの方がサクセスするんじゃないか」と迷走し始めるんじゃないか、そういったことも考えて全てを自分が抱えていました。結果として、他業務も兼務しながらの顧客対応によって受付から回答までの期間が長くなり、オンボーディング期間が伸びてしまってました。


今は、オンボーディングプログラムを7ミーティング / 7タスクで完了できるよう型化をしており、そのうち85%はOpsチーム主体で実施できます。思い切って、Opsチームに任せることで、それを実現するためのアルバイトチームの体制や、Opsチームに業務移管できるだけのオンボーディングプログラムの型化をおこなうことができ、組織としてお客様のオンボーディングを最短で伴走できる仕組みを構築することができました。

(素晴らしいですね!オンボーディングプログラムの型化までの流れを教えてください)

「一番最初は、最高の成功事例を超ハイタッチで作りこむ」というこだわりがありました。そのため、はじめはオンボーディング期間の短縮とかは考えずに、100%目的を達成できるオンボーディングを目指して作りこみました。

その上で、お客様と振り返りをおこない、1つ1つの工程タスクが100%の目的達成にどのくらいのインパクトがあったのかをヒアリングしました。そうすることで、やったことの要不要や、個社対応か汎用対応かが整理できました。この整理段階になって、Opsチームと一緒に取り組んでいくようになりました。

(Opsチームへの業務移管もそのあたりから開始されたのでしょうか)

はい。業務整理をする中で徐々にOpsチームへの移管をおこない、Opsチームの顧客対応へのフィードバックも調査しながら進めていきました。

また、業務移管の前提として、スタンスの浸透をおこなっています。

オンボーディングは、お客様からしたらビジネス成果を創出する過程の一つでしかありません。オンボーディングが長引くことは誰も幸せにならない。早く活用や浸透ができることが、この業界は特に大きな価値だということを、お客様やお客様の経営層と振り返りをおこなう中で気づきました。

調達領域のシステムは初期設定に数年かかるのがスタンダードになっています。それを1か月で活用と浸透ができることは革命です。それが価値だと腹落ちし、手段は問わずにどうしたらいいのかを考え続けるスタンスが大事なので、そこはOpsチームにも浸透させています。



定着~拡大に向けたカスタマーサクセス活動について教えてください

 


1つ目は決裁者 / 推進者 / ユーザーの三層接点における顧客カルテの作成です。各ステークホルダーが何をやりたいかを言語化し、三層ですり合わせをおこなう。いわゆるアカウントプラン(※)のように、ロードマップを引いて遂行していくことをおこなっています。

※アカウントプラン: 短期、中長期でお客様のサクセス体験と自社への投資を比例して成長させるための攻略方法やシナリオをまとめたもの


例えば、経営からは「データ活用することでコスト削減がしたい」と言われ、現場からは「業務の効率化がしたい」と言われている状況で、どちらを優先しておこなうのか、といった話を関係者と議論し、一緒に方針を共通化していく。これが非常に大事な活動だと考えています。

 


2つ目は、調達領域において私たちがもっているノウハウを強みとして、お客様のスタンダードを刷新する活動をおこなっています。進化し続ける調達のスタンダードにおける最新の状態を定義し、お客様の現状のレベル感とすり合わせをおこない、最新の状態にどうやって近づけていくかを議論しています。

この2つの活動から、サクセス期間におけるCSMの活動を決めています。


(どの程度のスパンで三層接点とのコミュニケーションをしてますか)

トライアル期間だと3か月ごとの更新タイミングでおこないます。本契約後は、決裁者が半年に1回程度、部課長やユーザーは四半期に1回程度です。


(すごい密度ですね。このコミュニケーションの狙いはなんでしょうか)

オンボーディング期間が20週から6週に短縮でき、85%をOpsチームに任せられるようになったからこそ、CSMが顧客と密にコミュニケーションできます。そして、調達部門におけるスタンダードのレベルを高めることが、予期しないチャーンを確実に防ぐ取り組みでもあり、プロダクトの未来を作る。その結果、新規営業時のARPAの引き上げと、NRRの向上に繋がっていくと考えています。

 

他にカスタマーサクセスで取り組んでいる特徴的な取り組みについて教えてください。


企業全体のサクセスを最大化させることに取り組んでいます。一部の部門ではプロダクト活用で成果が出ているけど、他の部門では進んでいないという状況が良くあります。

調達部の見積業務は刷新できたとしても、モノを買っている部署は他にも多くあります。全社視点で考えると、総務や品質管理部や製造・設計の部門、工場側や現場など様々な場所で見積業務が存在します。

全社視点で、お客様の企業成果をどうやって最大化できるかを常にCSMに考えてもらいたい。それが私のこだわりの一つです。


もう一つは、プロダクトの未来を作る活動です。「どこにお客様が投資してでも解決したいペインが眠っているのか」を探求する。その市場規模や解決シナリオを検証していくことをカスタマーサクセスとしておこなっています。


(非常に営業的な活動をおこなっていますが、こういった取り組みは前職のエンタープライズセールスの経験から活きているのでしょうか)

その通りです。リクルート在籍時のエンタープライズセールスは、今でいうカスタマーサクセスに非常に近い取り組みでした。何故かというと、使っていない企業がいないので、新規顧客が存在しないんです。なので、既存顧客の中で、いかに拡大していくかがエンタープライズセールスとしての活動でした。

カスタマーサクセスと新規営業の違いは、予算があるかないかだと思います。予算が無い中で新規で予算を取りに行くセールス活動は非常に難易度が高いです。ドメイン知識さえつければ、すぐにでもカスタマーサクセスとして活躍できると思います。



 

さらなる事業拡大とディープサクセスへ。深化と型化を重ね、NRRを最大化!



今感じている課題感と今後取り組みたい活動について教えてください

事業目線とCS目線でそれぞれお話します。


期待は投資!プロダクトを進化させ、業界のスタンダードを刷新するSaaSへ

事業目線では「社数拡大できるだけのセールス採用」と「ARPAの引き上げに繋がるプロダクト開発」が課題です。特に後者が温度感の高い課題となっています。

「日本における調達・購買部門のスタンダードを刷新することで、”Japan as No.1”を目指す」ってことは、”お客様からの投資=期待”だと捉えています。そう考えると、今よりシンプルにお客様の期待に応えることができるんじゃないかと思っています。

競合他社の世界では初期費用が数億、月額料金が数千万の世界です。Leaner見積は、まだまだARPA数十万の領域なので、もっと私たちに投資してもらえればプロダクトの進化を加速させて解決領域を広げていける、スタンダードを刷新する機能や業務手法を作っていける。

なので、「業界のスタンダードを刷新するSaaSへの期待=投資」をもらえて、それに見合ったプロダクトの進化ができるかが非常に重要だと考えています。

経営に貢献するディープサクセス事例の創出へ

CS目線では、「経営レベルのディープサクセス事例創出」と「ディープサクセス事例創出に必要なベテランCSMのリソース捻出」が課題です。

日本における調達・購買部門のスタンダードを刷新するためには、「お客様が想像できていないサクセスレベルにどうやったら引き上げられるか」が重要で、そこに向けたサクセス期間やアクションの型化を模索しています。

お客様が「スタンダードが変わった」「日本が強くなる」と思える、調達のスタンダードにおける最高地点をいち早く見つけて、そこへのロードマップを描き、たどり着けるプロダクトにしていく。そこをカスタマーサクセス目線で駆け抜けていく必要があります。

実現できるベテランCSMが抱えている属人化業務を、顧客の満足度を下げずに、移管をして体制を整えていく。今それを実践しています。





カスタマーサクセス天下一武闘会2023優勝者の舞台裏、出場から優勝に至るストーリー


(出場を決めた背景はなんですか?)

カスタマーサクセスからSaaSを盛り上げることができると本気で思っているからです。過去のカスタマーサクセス天下一武闘会 優勝者に個別にインタビューさせていただいたり、様々なカスタマーサクセスの方と能動的に知り合うきっかけを作ってくれていたイベントでもあります。当社のカスタマーサクセスの取り組みを共有することが、一緒にカスタマーサクセスを盛り上げていける人との出会いの機会に繋がる可能性を感じたため、出場を決めました。

(出場してみて反響いかがでしたか?)

反響が非常に多くてびっくりしました。様々なVPクラスのカスタマーサクセス関係者に接点を持たせていただく機会が増えていて、個別でサウナやご飯に行ったり、オンラインでミーティングをする機会も生まれました。同じような想いを持っている人たちの繋がりが、いい意味で伝播していて、出場してよかったと思っています。

(優勝したときの気持ちについて教えてください。)

冗談に聞こえるかもしれないですけど、優勝しなかったら翌営業日に丸刈りで出勤しようと思ってました(笑)

そのくらいの気持ちでやってたんですが、優勝したときは嬉しさはもちろんですが、「やってきたことに対しての自信」と「これからやろうとしていることへの期待や熱量が上がっていく」気持ちが大きかったです。私の発表に共感いただいたり、真似したいと言ってくれた方々の声を聞いて、カスタマーサクセスからSaaSを盛り上げていけるという想いが一段階強く思えるようになりました。

(優勝賞金は何に使われるんですか)

カスタマーサクセスの方々との関係構築や出会いへの投資に使いたいと考えています。





最後に、織茂さんの今後の展望について教えてください


何よりも、早期から契約いただいているお客様が「俺たちが初期のLeaner Technologiesと一緒に調達のスタンダード刷新をしたんだ」と胸張って言える、Leaner見積を推進してくれる、そのぐらい進化したいと思っています。

もう一つは、日本を変えるようなSaaSを盛り上げていくお手伝いをしたいと考えています。私がやりたいことが「世の中の新しい当たり前を作っていく」なので、そういったシーンに多く関わりたいと思っています。

ですので、一緒に日本のカスタマーサクセスやSaaSを盛り上げたい!という方はお気軽に声をかけていただければと思います。





インタビューを終えて

カスタマーサクセス天下一武闘会2023優勝者へのインタビューを通じて、これからの日本を変革していくリーダー像を垣間見ました。

日本における調達・購買部門のスタンダードを刷新することで、”Japan as No.1”を目指しているLeaner Technologies。事業の中核を担うカスタマーサクセス責任者は、やはり日本を変える、スタンダードを刷新する、日本一アツい想いを持ったプレーヤーでした。

超ハイタッチで100%のディープサクセスを追い求める探求心と行動力、言語化して理論と型に落とし込むその姿は、同じカスタマーサクセスマネージャーとして学ぶべきところしかありません。

カスタマーサクセスからSaaSを盛り上げていく織茂さんに、今後も目が離せません。同じ想いを持つ同志として、私も微力ながら協力をしていきたいと思います!

織茂さん、ありがとうございました!




※インタビュー実施日:2023年12月20日
 2024年1月15日時点で確認された情報を掲載


▷▷前回分の第9弾はこちら!
【サクセスボイス Vol.9】バーティカルSaaSのグロースに必要な「考え方」がここに!不動産業界のDXを力強く推進する、CS統括責任者の戦略大公開



渡邉 剛

執筆者情報:

渡邉 剛(わたなべ ごう)

ユニリタ自社開発のETLツール「Waha! Transformer」の導入教育/サポート、データ活用システム(ETL/DWH/BI)構築のプロジェクトマネージャーを歴任し、2018年にカスタマーサクセスチームの立上げ責任者を担当。
その経験からカスタマーサクセス専用ツールの必要性を実感し「Growwwing」の事業立上げをおこなう。
2020年7月の事業化からプロダクトマーケティングとカスタマーサクセスの責任者を担当。
カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」においてハイタッチ部 副部長も歴任。


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