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【実践編】カスタマーサクセスのフィードバック事例3選ご紹介 ~ VoCを使いこなして事業成長の中核になろう ~

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【実践編】カスタマーサクセスのフィードバック事例3選ご紹介 ~ VoCを使いこなして事業成長の中核になろう ~


カスタマーサクセスは事業成長の中核を担うハブ(中心的存在)として社外や社内から得たフィードバックをプロダクトやサービスに活かす役割があります。カスタマーサクセスはリードから成約、導入支援、その後の活用促進、解約までの一連の顧客体験が管理範囲と長期にわたる関係性が続くため、社内で一番顧客との距離が近い活動と言えるでしょう。本記事では、その立場を活かした社内外からの意見や要望の活用方法について事例を交えて紹介いたします。


カスタマ ーサクセスにおけるフィードバックとは?

カスタマーサクセスに欠かせないフィードバックの基礎知識や重要性について説明します。


事業成長の中核を担うカスタマーサクセスの役割と立ち位置

カスタマーサクセスのミッションは、LTVを最大化することです。

LTVとは一人の顧客から一生涯で得られる総利益を意味する指標のことで、消耗品やサブスクリプションサービスなど、継続利用を前提とした商品・サービスを取り扱う企業にとって重要な要素の一つです。LTVを最大化するために、顧客単価を上げ、リピート率を向上するといった取り組みを実施するのがカスタマーサクセスの主な役割となります。

具体的には、顧客のヘルススコアを測り、必要な顧客にアップセルやクロスセルを行うことや、顧客の課題をいち早く察知し、適切な対策を講じることで解約のリスクを回避すること、また、顧客のニーズを拾い上げ、製品やサービスの改善につなげることなどがあげられます。



カスタマーサクセスにおけるフィードバックの重要性

カスタマーサクセスにおいてフィードバックが重要視される理由は、ヘルススコアをもとに、顧客へ実施したアプローチの成果を客観的に把握できるためです。
顧客からのフィードバックを軽視すると、適切なアプローチが行われているかどうか分からず、成果につながらない可能性があります。

また、適切ではないアプローチを続けると、顧客離れを阻止できないのはもちろん、いたずらにコストや時間を費やす原因となります。顧客からのフィードバックを分析すれば、顧客がどのようなアプローチを求めているのか、自社の商品やサービスについてどのように評価しているのか、どういった不満を抱えているのか、などを的確に把握できるようになり、適切なPDCAサイクルを回せるようになります。


カスタマーサクセスにおけるフィードバックの重要性について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
▼【基礎編】カスタマーサクセスにおける「フィードバック」の重要性とは?収集方法から活用方法まで基礎を徹底解説!





フィードバックプロセスの実践例


カスタマーサクセスにおけるフィードバックプロセスは、以下4つのステップで構成されます。カスタマーサクセスにおけるフィードバックプロセスは、以下4つのステップで構成されます。


    ①フィードバックを収集する目的を決める(Why)
    ②フィードバックの収集対象を決める(Who)
    ③何をどうやって収集するのかを決める(How・What)
    ④収集を行う(Do)

ここではケース別にフィードバックプロセスの実践例を3つご紹介します。



製品・サービスの改善要望の収集

「顧客の声や意見から新機能の開発ニーズを得たい」「モデルチェンジの参考にしたい」などが目的の場合は、実際に自社の製品やサービスを現場で使用しているチャンピオンや利用者、社内関係者などをフィードバックの収集先に選ぶのが基本です。

収集方法については、より詳しい意見を聞けるチャンピオンや、身近な場所にいる社内関係者については、直接ヒアリングした方が有意義な意見を収集できるでしょう。社外のチャンピオンについては、Web会議システムなどを活用してオンライン上でコミュニケーションを取ると、ヒアリングの工数を節約できます。

一方、利用者に対してはWeb上で回答できる利用後アンケートを実施したり、SNSの書き込みをチェックしたりする方法が一般的です。アンケートでは商品・サービスの良いところや悪いところ、要望点などに関する意見を収集・分析すると利用者の総意を把握しやすくなります。

SNSではより忌憚のない意見をチェックできますが、アンケートとは異なり、一定の項目に沿って回答するわけではないので、内容にバラつきがあります。SNSの内容のみを参考にするのではなく、アンケートと併用してフィードバックを収集した方がよいでしょう。



プロセス・コンテンツの改善

フィードバックを業務効率化に活かしたい場合は、自社が抱える課題や問題をもとに、「オンボーディングプロセスを効率化する」「カスタマーサクセスチーム向けの教育コンテンツを改善していく」などの目的を設定します。上記の場合、フィードバックの収集先はカスタマーサクセスチームのリーダーやメンバーです。

日々、カスタマーサクセス業務のプロセスや成果を振り返り、タスクを遂行するにあたって遅延や停滞などのトラブルが発生しなかったか、あるいは、
メンバー同士のコミュニケーションに不備はなかったかなどをヒアリングし、課題や問題の洗い出しを行います。ディスカッションの場を設けて収集してもよいですが、カスタマーサクセスツールなどに搭載されているチャット機能などを活用し、オンライン上でやり取りする方法も有効です。

また、カスタマーサクセスツールの中には、タスク管理機能がそなわっているものもあります。完了したタスクの記録を分析すれば、いつ・誰が・どのタスクで・どのようなトラブルが発生したかを簡単に振り返ることができるため、フィードバックの収集・分析に役立ちます。



ビジネスの意思決定

顧客からのフィードバックは市場のニーズや変化を把握するのにも役立ちます。今どのような製品・サービスが求められているのか、今後どういったサービスの需要が伸びるのか、といった情報を的確に把握できれば、ビジネスの意思決定における判断材料の一つとして活用できます。

ビジネスの意思決定にフィードバックを活用したい場合は、「新商品開発の参考にしたい」「既存の商品・サービスにどのような不満があるか知りたい」などを目的に設定します。収集先は、製品やサービスの導入を決定する権限を持つ決裁者やチャンピオン、利用者、社内関係者など多岐にわたります。市場ニーズを客観的に得たい場合は、社外の人間の意見を参考にします。

また、市場ニーズを正確に把握するには多くのデータが必要になります。そのため、不特定多数の人間にアンケートを取ったり、SNSから情報を得たりする方法が有効です。

市場ニーズに自社製品・サービスがマッチしているかどうか知りたい場合は、商品やサービスの利用ログを辿ったり、問い合わせ履歴をチェックしたりする方法もあります。機能ごと、サービスごとの利用頻度や、問い合わせ履歴から得られる要望や不満を拾うことで、市場から求められている商品・サービスの形が見えてきます。





フィードバックの企業事例

フィードバックを活用してカスタマーサクセスで成果を挙げている企業の事例を3つご紹介します。




メルカリ

メルカリのカスタマーサービス業務を担うCX Programチームは、VOC(顧客の声)をサービスに活用するメカニズムを運用しています。具体的には、VOCを分析することで、顧客が抱えている課題の発見や、その解決に向けた提案を模索しています。

 

また、これらの情報を社内に向けて発信するためのコンテンツ「VOC Portal」を制作。顧客からの問い合わせやSNSApp Reviewなどから収集したVOCや数値データ、顧客体験について分析した資料を掲載するポータルサイトで、ここから得た情報をもとに、顧客が抱える課題や問題、不満を解消するアイデアなどが生まれることもあります。

 

同社のカスタマーサービスチームでは毎月VOCレポートを作成・提出しますが、このレポートをもとに、経営陣やプロダクトマネージャーが月に1回集まってVOCミーティングを実施。顧客からの問い合わせのトレンドを共有し、改善提案について話し合う場を定期的に設ける体制を整えています。

 

カスタマーサクセスチームだけでなく、経営陣やプロダクトマネージャーなどのトップ陣も積極的にVOCに関わり、組織全体でフィードバックを活用しているところがメルカリの大きな特徴です。

 

引用元:mercari careersmercan



Slack

世界150カ国以上に向けてビジネスチャットツール「Slack」を提供しているSlackでは、顧客の声を「聞く力」と「理解する力」を重視しています。例えば、データ分析やAI活用などを通じて、顧客がどのようにSlackを利用しているのか、その成熟度を測るマチュリティスコアを導入することで、顧客の声をしっかりキャッチします。

 

さらに、他アプリとの連携状況やメッセージの送信状況などをグローバルレベルと市場レベルでスコア化・収集し、その比較をもとに地域ごとのカスタマーサクセス戦略を組み立てています。

 

また、顧客からの声はカスタマーサクセスチームに向けられたものではなく、Slack全社に向けられたメッセージであるという考えの下、顧客からの声をSlackによって全社的に共有する取り組みも実施。全ての部門で顧客の声を共有することで、より多角的なアイデアやアクションを生み出せる環境を整えています。

 

フィードバックの収集方法としては、パートナーと組んで顧客の声を調査・分析するユーザーリサーチや、実際にSlackを利用している顧客と対面式のミーティングを行うエグゼクティブビジネスレビューなどを行っており、積極的にVOCを収集・活用しています。

 

引用元:ITreview



ユニリタ(Growwwing

カスタマーサクセス管理プラットフォーム「Growwwing」を提供する株式会社ユニリタでは、一部の製品やサービスにおいて、解約率が高まり、この危機感から、カスタマーサクセスチームを立ち上げました。同チームは顧客情報の把握・見える化をおこない、問題・課題のある顧客への訪問ヒアリングや活用いただくためのさまざまなフォローアクションを試行し、その結果、解約率を1/3以下に抑えることに成功しました

 

現在においても、定期的なミーティングを行い、顧客の声を共有する他、いつでも問い合わせ可能なWeb窓口の開放や、月に2回まで利用できるマンツーマンミーティング「活用クリニック」を実施したりと、フィードバックを収集する体制を整えています。さらに、3カ月に1回のペースで小規模ユーザー会「Growwwth Garden」を開催するなど、さまざまな角度からVOCを収集・分析し、今後の活動の参考にしています。

 

これらの経験や体験をもとに開発・アップデートされていくGrowwwingは、VOCを確実に拾い上げ、適切なタイミングで開発へフィードバックし、サービスエンハンスへとつなげて永続的な成長をもたらすService Growth Cycleの確立を支援する機能が備わっています。



引用:CS STUDIOGrowwwing


 

まとめ

カスタマーサクセスにおいて、商品やサービスを利用する人の声や意見を収集し、改善につなげるフィードバックは非常に重要なプロセスの一つです。フィードバックを活用すれば、より良いPDCAを回せるようになり、短期間で顧客満足度向上や売上・業績アップなどの効果を期待することが可能となります。

 

フィードバックを上手に活用し、カスタマーサクセスを実現している企業の事例などを参考に、自社に適したフィードバックの収集・実践にチャレンジしてみましょう。






 

佐々木 一稀

執筆者情報:

佐々木 一稀(ささき かずき)

ユニリタ自社開発のフローチャートツール「Ranabase」にて開発に携わり、カスタマーサポートを担当し2022年に「Growwwing」チームへジョイン。
カスタマーサクセスメンバーとしてオンボーディング支援業務を経験し、現在ではその知見を活かし顧客の求めてる情報を発信するためにマーケティング分野を担当。

幅広い経験からの視点を生かし、カスタマーサクセスを行う方へのヒントとなるような記事を掲載できるよう全力で頑張ります。


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