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【基礎編】カスタマーサクセス活動に重要なプロアクティブとリアクティブの考え方とは?

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【基礎編】カスタマーサクセス活動に重要なプロアクティブとリアクティブの考え方とは?

目次



カスタマーサクセス活動では、プロアクティブ(先取りする)な行動が重要といわれています。反対語として、リアクティブ(受け身の)な行動がありますが、リアクティブ=悪ではなく、業務内容によってどちらが適切かが変わります。適切でない行動をとってしまうと、顧客からのクレームや不満に繋がり、プロダクトやサービスの解約に繋がってしまうことも。本記事では、プロアクティブとその反対語であるリアクティブの違いを解説し、それぞれの行動がもたらすメリットとデメリットを明らかにしていきます。



プロアクティブとリアクティブの違い

カスタマーサクセス業務には、「プロアクティブ」「リアクティブ」二種類の顧客へのアプローチ方法があります。普段の業務において、その行動がプロアクティブ・リアクティブどちらの行動か意識することは少ないかもしれません。しかし、それぞれの違いやメリット・デメリットを把握し、顧客に最適な行動を選択することで、より効果的なカスタマーサクセス業務をおこなうことが可能です。


プロアクティブとリアクティブの意味

プロアクティブ・リアクティブという言葉を聞いた際、おおよそのイメージはあっても、それぞれの違いを明確に答えられる方は少ないのではないでしょうか。そこで、まずは言葉の意味について記載します。

プロアクティブ:起こり得る未来の問題を事前に予測し、未然に防ぐことを目的とした活動
リアクティブ:問題が発生したときに、それを解決することを目的とした活動

言葉の意味がはっきりしたところで、次にカスタマーサクセス業務におけるプロアクティブ・リアクティブの行動について考えます。

プロアクティブな行動とは

一般的に「カスタマーサクセスは能動的」「カスタマーサポートは受動的」と言われます。そのような特性から考えると、プロアクティブな行動こそカスタマーサクセスに求められている行動と言えるでしょう。

カスタマーサクセス業務の中でプロアクティブな行動が適しているシーンとしては、下記が考えられます。

・プロダクトやサービスにおける利用方法のトレーニングや定着支援などのオンボーディング
・利用中の疑問や不満の解消をするとともに利活用度合いを高めるための定期フォロー
・利活用度合いが高まりサービスに対して一定の満足を感じている顧客に対しておこなうアップセル・クロスセルの提案

上記は「契約~更新」までの一連の行動において理想的な流れと一致する部分があります。

 

リアクティブな行動とは

プロアクティブなカスタマーサクセス業務に対して、リアクティブなカスタマーサポート業務は対比されることが多くあります。しかし、実際には、カスタマーサクセス業務においてもリアクティブな行動はあります。それぞれのリアクティブな行動を考えると下記となります。

カスタマーサポート
  ・顧客からの問い合わせに対する回答
  ・問題の発生時の対応

カスタマーサクセス
  ・顧客からのフィードバックや機能要望などに対する対応
  ・機能の利活用状況の低下を検知して行う活用提案

リアクティブな行動の中でも、カスタマーサクセス業務、カスタマーサポート業務のどちらかを区別した上で、優先順位や仕組みを考えることが必要です。



 

プロアクティブな行動のメリット・デメリット


続いては、プロアクティブな行動におけるメリット・デメリットを考えます。

プロアクティブな行動がもたらすメリット

プロアクティブな行動のメリットは下記が考えられます。

・顧客に起こりえる問題を事前に予見し、問題に直面する前に対処することで、顧客が不満を感じることを未然に防ぐことができる
・起こりえる問題に対して、あらかじめ予防措置を講じることで問題の発生自体を減少させることができる
・こちらから働きかけることにより主導権を握り、自社のベストプラクティスを基にした顧客の成功に繋がる流れに導くことができる

上記の効果によって、結果として、顧客満足度の向上や問い合わせ対応等のリアクティブな行動を減少(対応するメンバーの工数削減)させることも期待できます。


 

プロアクティブな行動のデメリットや注意点

プロアクティブな行動のデメリットは下記が考えられます。

・ハイタッチでプロアクティブな行動をするには多くのリソースが必要であり、特に新規ビジネスにおいては対応するための予算や人員の確保が難しい
・顧客を深く理解し先手を打って情報発信や提案を おこなうため、一定の経験やスキルを持ったカスタマーサクセス担当が必要となる点
・顧客との関係性が構築できていない状態で、調査不足の提案をしてしまったり、アップセルやクロスセル目的で顧客メリットが見えない自分本位の提案をしてしまう等、顧客が求めていない行動をおこしてしまう可能性がある

上記のようなデメリットや注意点がありますが、顧客のことを考えてプロアクティブな行動を起こした際に顧客から不満を言われることは少ないはずです。私もいろいろと考えた上で 行ったおこなった提案が顧客の希望と一致せず、反応が薄かったという経験はありますが「自分たちのことをしっかり調べて仮説提案してくれている」ことに喜びを感じていただくける企業がほとんどでした。




リアクティブな行動のメリット・デメリット


次に、リアクティブな行動におけるメリット・デメリットを考えます。


リアクティブな行動がもたらすメリット

リアクティブな行動のメリットは下記が考えられます。

・リアクティブな行動は問題が発生した際におこなわれるため、常にリソースを確保しておく必要がない
・問題発生後に、迅速かつ信頼性の高い対応をおこなうことで、顧客の不満を抑え、信頼性を向上させることができる

リアクティブな行動は、発生した事象に対して解決策を提示するアプローチになります。顧客からの不満や、プロダクトの障害といった負の事象に対し、誠実に向き合い、信頼性の高い対応や回答をすることで、顧客の信頼を手に入れることができます。



リアクティブな行動のデメリット

リアクティブな行動のデメリットは下記が考えられます。

・リアクティブな問題発生は突発的な事象であるため、事前にリソースを確保できず、業務調整や瞬間的な業務量増大といった現場の負担や混乱が発生する
・顧客が問題を報告するまで検知できず、気づいた時には問題が深刻化している可能性があり、顧客の信頼喪失や負の評判につながる可能性がある
・対応の起点が問題発生のため、受け身な行動ばかりになると顧客が不満を感じる可能性がある

障害発生時に最優先での対応が必要となり、通常業務が後回しになってしまうというのはよくあるパターンです。リアクティブな業務ばかりだと普段の業務調整もできず、現場メンバーの負担も大きくなります。リアクティブな業務の中でも、プロアクティブに変えられる業務を精査し、継続的に改善活動をすることで、現場の負担軽減と本当に必要なリアクティブ業務に集中する時間を手に入れることができます。

 

プロアクティブとリアクティブの使い分けのコツ

ここまでで、プロアクティブとリアクティブな行動に関するメリット・デメリットなどの基本となるポイントを紹介しました。ここからは具体的な使い分けのコツを考えます。

 

プロアクティブな行動とリアクティブな行動を行うための検討事項

プロアクティブとリアクティブな行動に関して具体的にどのような施策に取り組むかを考える前に、検討すべきこととしては下記が考えられます。

・自社のビジネスの状況をしっかりと把握すること

サービス拡大のための新規獲得、チャーンの防止、アップセル・クロスセルの促進など会社としてどこに注力しているのかを把握することが重要です。すべてが重要であることは間違いありませんが、会社のフェーズによって優先順位は異なります。

・やること・やらないことを決める

課題や改善点として思い浮かぶことは多々あると思いますが、リソースは有限です。そのため、集中してやることと現段階ではやらないことを決めることが重要です。また、やらないことに関しては今後の状況の変化に応じて、どんな順番で取り組むのかを決めておくとよいでしょう。

・顧客の状況を把握する仕組みをつくる

プロアクティブ・リアクティブな行動どちらの場合も顧客の状況を適切に把握する必要があります。状況が把握できないと、適切な行動が取れないだけでなく、施策の効果検証もおこなえません。そのため、顧客の利活用度合いを測る環境を整え、指標を決め、状況の変化を検知する仕組みづくりが重要となります。

・サービスを活用する難易度を考える

この点に関してはサービス自体の性質、CX観点のわかりやすさ、対象ユーザーのリテラシーなど、さまざまな観点が影響します。難易度が高い場合、プロアクティブな行動を積極的に心がけることが必要となるでしょう。

 

プロアクティブとリアクティブの組み合わせによる最適な戦略の例示

上記を踏まえて、具体的な戦略を考えます。

メリット・デメリットの部分でも記載したとおり、プロアクティブな行動を適切に行うことでリアクティブな行動を抑制できます。さらに、リアクティブな行動が増えるとプロアクティブな行動が後回しになる可能性があります。そのため、プロアクティブ・リアクティブそれぞれのバランスを考えて戦略を立てることが重要です。

顧客の成功を実現する上でオンボーディングは重要と言われており、オンボーディングの成否がその後のカスタマーサクセス活動の流れに大きな影響を与えます。導入初期の段階で利活用度合いを引き上げ自走可能な状態に持っていく。その後はヘルススコア、アラートなどをもとに状態を管理し、必要に応じてリアクティブな対応を行うという流れは一つの理想形と考えられます。逆にオンボーディングがうまくいかなかった場合、その後もプロアクティブな行動が求められ、オンボーディング以上に工数がかかるとともに、状況の改善も難しくなります。

また、プロアクティブな行動に注力するためにリアクティブな行動を減らす施策に取り組むという戦略もあります。

問い合わせ対応などのリアクティブな行動は、教育資料の改修、FAQの公開やチャットボットを利用することによって一部をプロアクティブに変えることができないかを考えましょう。また、サポートサイトの拡充やプロダクト自体のわかりやすさを向上させることで、問い合わせを減らすことも可能です。エンジニアとの調整が必要であったり、すぐに目立った成果がでないことも考えられますが、長期の目線で考えると重要な戦略の一つになります。



まとめ

カスタマーサクセスの戦略においては、プロアクティブとリアクティブどちらか一方ではなく、両方をバランスよく組み合わせることが重要です。バランスに関しては、自社の顧客やサービスの特性、会社の状況によって異なり正解はありません。そのため、具体的な施策を考える前にしっかりと状況を把握することが重要です。その上で、リソースも考慮しつつ、具体的な施策を決定し行動していきましょう。




 

渡邉 剛

監修者情報:

渡邉 剛(わたなべ ごう)

ユニリタ自社開発のETLツール「Waha! Transformer」の導入教育/サポート、データ活用システム(ETL/DWH/BI)構築のプロジェクトマネージャーを歴任し、2018年にカスタマーサクセスチームの立上げ責任者を担当。
その経験からカスタマーサクセス専用ツールの必要性を実感し「Growwwing」の事業立上げをおこなう。
2020年7月の事業化からプロダクトマーケティングとカスタマーサクセスの責任者を担当。
カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」においてハイタッチ部 副部長も歴任。


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