【サクセスボイス Vol.3】「Webマーケティングはみんなのもの!」専門スキルの”大衆化”を目指すSaaS・カスタマーサクセスマネージャー!
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今回は、リアルな企業によるリアルなカスタマーサクセスを紹介する【サクセスボイス】第3弾として、Webマーケティング領域で”本当に必要な機能”を厳選し提供する、オールインワン型BtoBマーケティングツール「ferret One」のカスタマーサクセスチームを統括する桑田 沙羅(くわた さら)さんに話を伺いました。
桑田さんは2021年12月に開催された、日本で初めてのカスタマーサクセス向けピッチバトルイベント”カスタマーサクセス天下一武闘会2021(第5回)”にて、優勝を勝ち取ったCSMの中のCSM。「学び」しかない桑田さんの生の声を、ぜひご堪能ください!
気づけば「ひたすらマーケティングを突き詰めるため」のビジネスキャリア
まずは、CS天下一武闘会「優勝」おめでとうございます!
ありがとうございます!
反響すごかったのではないでしょうか?
はい。社内からのメッセージだけではなく、お客様からも「おめでとう!」のお声をたくさんいただいたのが本当に嬉しかったです!
本当におめでとうございます!では・・・、自己紹介からお願いします
株式会社ベーシック ferret One事業部 カスタマーサクセス推進部 オンボーディンググループマネージャーの桑田 沙羅です。
桑田さんの経歴を教えてください
大学卒業の2014年に入社し、大手総合マーケティング会社でビジネス人生をスタートさせました。その後5年間在籍し、2019年の5月にベーシックにジョインしました。
ベーシック社ジョインの経緯を教えてください
最初の職場だったマーケティング会社では本当に多くのことを学んだのですが、クライアント企業に対し都度マーケティングソリューションを企画・提案する「マーケットイン」の業態で、いわゆる事業会社ではありませんでした。一方、市場のデジタルシフトが進み、多くのSaaS(クラウドサービス)が生まれ、発展するのを目の当たりにする中で、自身が身につけたマーケティングスキルをそういったSaaSの事業会社で発揮してみたいと思いはじめるようになりました。
そこから転職活動を始められたということでしょうか?
その通りです。そこで出会った中の一社が現在所属するベーシックです。
ベーシック社への入社の決め手はなんだったのでしょう?
「ferret One」が「マーケティング」という自身のキャリアが活かせる領域で事業展開している「SaaS」だったことが決め手ですね。そして、任される役割がそんな「ferret One」の本質的な市場浸透を担うものだったことも大きな要因になりました。
いわゆる「カスタマーサクセス」ということでしょうか?
そうです。
ちなみに入社当時、カスタマーサクセスという言葉はご存知だったのでしょうか?
もちろん聞いたことはありました。ただ、実は詳しくは知りませんでした(笑)
入社前の面接でカスタマーサクセスを知り、これまでの自身の経験を生かした仕事ができるという理解ができた瞬間、絶対ここで働きたいと思いました。
目指すは「Webマーケティングの大衆化」。プロダクトに込められた思いとは
「ferret One」の概要を教えてください
Webマーケティングに困っている「BtoB企業のマーケティング担当者」のためのツールです。「リード獲得に必要な機能が全て揃っているSaaS」だと思ってもらえば分かりやすいと思います。
いわゆるMA(マーケティングオートメーション)とは違うのでしょうか?
「MAですか?」と聞かれると、少し違います。「ferret One」には、メール配信やリード管理、アンケートフォームなどの基本機能に加え、通常MAには実装されていない、CMS(コンテンツマネジメントシステム=HTML等の専門知識がなくてもWebサイトの制作や編集ができる環境を実現するシステム)の要素があったり、一方で「これは滅多に使わないよね」という複雑な分析などの機能はあえて削ぎ落としたりしていますので。
ferret Oneは「Webマーケティングの大衆化」というミッションを掲げており、とにかく「リード獲得(+管理・育成)のために本当に必要な機能を、誰でも・簡単に・スピーディに使える世界を実現する」という思想に基づいて設計しています。
Webマーケティング領域の実行面と管理・分析面をバランスよく取り揃えたツールであるということが理解できましたが、このようなサービスが生まれた背景はなんだったのでしょうか?
代表の秋山が多くのお客様から寄せられたWebマーケティング領域に関する相談の中から見出した、共通する3つの課題に対するソリューションを、プロダクトとして表現した結果ですね。
3つの課題とはなんでしょう?
知識(組織としてのノウハウ)、環境(実現力のある環境)、そして人(実行が伴う人材)です。Webマーケティングをチーム・組織として「永続的に」実行していくことを考えたとき、勝ち筋に関するノウハウが誰か一人に帰属しているようでは実現できません。逆に、ノウハウが共有されていたとしても、いざ実行となったときにオペレーションできる手段・環境がなかったり、たとえ手段があっても工数がかかり煩わしかったりすると、絵に描いた餅になります。
そういった知識や環境が整ってはじめて、実行する「人」の底力が発揮され、組織に対する帰属意識も高まり、「永続的なWebマーケティング」が実現されるというのが秋山をはじめとするベーシックの根本的な思想であり、「ferret One」を通じて提供したい価値でもあります。
いまおっしゃった価値を、「ferret One」ではどのように提供しているのでしょうか?
知識については、主に「伴走サポート」というプランを通してご支援しています。毎月のお打ち合わせを通して現状と目標のギャップを確認し、そのギャップを埋めるための施策をご提案しています。弊社自身や、これまで1,000社以上のお客様をご支援してきた経験を通して「どのようにマーケティング活動を進めていくと成果が出やすいか」というノウハウを体系的に整理しており、そのノウハウを元にご支援しています。お打ち合わせ以外でも、ご契約者様限定のサポートコンテンツとして動画やお役立ち資料も揃えておりますので、「人」の育成にも繋がります。
またそうして実行する施策が決まったときに、「ferret One」であればノーコードで簡単にWebサイトに反映したり、メールマガジンを配信したりすることも可能ですので、施策実行にかかる工数を大幅に削減し専門人材がいないという「人」の問題も解決できます。
このような「ツールの機能+伴走するWebマーケティングのプロ人材」のあわせ技で、誰でもWebマーケティングを通じて事業を成功させることができる世界の実現を目指しています。
ノウハウといえば、Webマーケター向けのメディアである「ferret」を思い浮かべる方も多いと思いますが・・・
そうですね。これまで「ferret」で培ってきたマーケティングノウハウは、「ferret One」のサービスにおいても大いに活かされています。
カスタマーサクセスは「愛」。中長期の伴走でスキルと想いと戦略を伝達
「ferret One」のカスタマーサクセス組織について教えてください
カスタマーサクセスに関わるメンバーは総勢で30名ほど在籍しています。カスタマーサクセス推進部と同企画部の2つの組織に分かれており、私を含む大半のメンバーは前者の推進部に所属しています。
30名規模というのは数あるSaaS事業者の中でもかなり人数が多い印象です
そうだと思います。ferret Oneの事業においては60名強の規模ですので、メンバーの半数は何らかの形でカスタマーサクセスに関わっているということになります。
いつ頃から人数拡大したのでしょうか?
毎年着実に増えている状況ですが、2019年時点では10名程度で、2020年は微増の15名ほどでした。30名規模になったのは2021年に入ってからですね。
何かきっかけがあっての増員だったのでしょうか?
どこのSaaS事業でも似たようなことが要因だとは思いますが、端的に言えばチャーンレートの悪化です。2019年ごろから傾向が見られるようになり、対策としてハイタッチの担当部隊を拡大しました。それによる効果が見えてきたので、2020年に1.5倍ほど増強し、コロナ禍によるデジタルシフト化の後押しもあり事業が大きく成長した2021年に一気に拡大させた形です。
組織の中身についてもう少し詳しく教えてください
カスタマーサクセス推進部は、その名の通り顧客のマーケティング活動を支援することで、カスタマーサクセスを推進するための部署で、オンボーディンググループ、アカウントサクセスグループ、ソリューショングループ、そして制作グループという4つの機能別組織で構成されています。
オンボーディンググループはその名の通り、顧客が自走できるようになるまで伴走するのがミッションであり、サイト制作からマーケティングの初期戦略(ターゲット設定・3C分析等)立案の支援を担っているのもこのチームです。
事業開始当初は、「オンボーディング卒業後」の顧客には担当がついていなかったのですが、2019年より専門部隊としてアカウントサクセスチームが立ち上がりました。アカウントサクセスは主に「伴走サポート」を担当するチームで、顧客のマーケティング状況のレポーティング等を通じた改善提案を行っています。
ソリューショングループは自走後の運用面で顧客を支える部隊で、具体的にはブログ記事等の制作を請け負うなど、コンテンツマーケティング領域を支援します。
制作グループは、主に顧客サイトの初期構築を担当することで、彼らの初期稼働時の負荷を軽減することを目的に活動しています。
ツールの入れっぱなしではない、まさにハイタッチによる手厚いアフターフォロー体制ですね
ありがとうございます。2019年のチャーンレート悪化時、顧客が自身の手でマーケティング活動を円滑にまわすことができていないから解約されていることが分かったので、ハイタッチを強化した際、まず力を入れたのがオンボーディング体制の構築でした。ゴールは「顧客の自走開始に責任を持つ」ことです。そうなるとツールの利活用に関するサポートだけでなく、そもそものマーケティングノウハウも身につけてもらう必要があると考えた結果です。
具体的なカスタマーサクセス活動について、もう少し詳しく教えてください
以前noteにも書いたことのある内容なのですが、「オンラインもくもく会」というイベントを開催しています。
もくもく??ですか?(必死に検索)
そうです。「もくもく会」です(笑)
すみません。立場的に知っていないとまずい会だったようですが、Growwwth Note読者の中には知らない方もおられると思いますので、簡単に解説しつつ、具体的な取り組みのご紹介をお願いします
多くのSaaSベンダーの皆様の中にも、カスタマーサクセス活動を推進する際、電話やメール、ヘルプページだけでは自走してもらいきれない…といった経験をされた方がいらっしゃると思います。また、ツールのユーザー目線では、実際に触ってみると難しい操作があり、「その場ですぐ解決したい!」と思われる方も多くいらっしゃいます。そんな方々に、決まった日にWebページをはじめとしたコンテンツを制作することを目的に集まっていただき、わからないことをその場でCSMがサポートしながら「もくもく作業」していただくイベントになります。
細かい運用方法などは企業やプロダクトによって多少違いますが、「ferret One」の「もくもく会」は、複数の顧客がオンライン会議に参加していただき、質問があればその場に参加しているCSMがサポートをします。都度1対1のMTGを組むのではなく、1対Nのイベントにしつつ、質疑応答はハイタッチで解決するような、ハイタッチとロータッチの良いとこ取りになります。
具体的には、
# 時間内に記事を1本書く
# サポート担当と話してページ改善を完了させる
# お知らせページの追加を完了させる
といった具体的なタスクを持ち寄り、作業しつつ、分からないときはその場で質問していただく、という会です。
顧客担当者おひとりだとうまくいかない作業を、我々と一緒にやっていただくことで、プロダクトの活用方法を理解してもらうこと、支援の厚さや想いを理解していただくことにつながりますので、チャーンの低減のみならず、アップ・クロスといったセルの可能性向上にも寄与する活動になっています。
他に特徴的な取り組みがあれば教えてください
あります(笑)「Uber Voice」というVoC(不安・不満・要望・アンケートへの回答結果など、顧客からの意見の総称)を集めて、社内にフィードバックする活動です。
「Uber Eats」の「Uber」ですか?
そうです。社内のプロジェクトなのでキャッチーなものにしようと大胆に転用させてもらっています(笑)
VoCの収集は、カスタマーサクセスの大きな職務のひとつであり、その頻度や量をKPIとして設定している企業・プロダクトは少なくないと思います。一方、VoCは集めるのが目的ではなく、開発部門にフィードバックし、プロダクトの改善に反映されることではじめて顧客に還元されるものです。
「Uber Voice」ではさらに、開発部門と同等もしくはそれ以上に、マーケティング、セールスへのフィードバックを重要視しているのがひとつの特徴だと思います。そういったVoCをデリバリー(=フィードバック)することの重要性に着目し、それを徹底することをプロジェクトとして立ち上げ、取り組んだのが「Uber Voice」です!
具体的な「デリバリー」の流れを教えてください
まずはVoCをCSチーム内で共有する、次にマーケティング、セールスといったセルサイドに連携する、そしてプロダクトまわりのVoCにフォーカスして開発部門に要望を伝えるという3つの分科会形式で「お届け」する流れです。詳しくは先ほどご紹介したnoteをご覧いただければと思いますが、具体的な成果にもつながっています。
素晴らしい取り組みをご披露いただく一方、課題に感じていることや今後取り組みたいことなどがあれば教えてください
プロダクトの活用推進や満足度向上に向けたイベント等、チャーンの抑制に向けた活動はしっかりとやれている実感があり、数値的裏付けも確認できているのですが、実のところアップセル・クロスセルといったエクスパンションについてはまだ成果が限定的なのが実情です。
人と工数を要するハイタッチ活動が当面はメインになってくるプロダクトですので、アカウントごとの収益拡大に向けた取り組みは急務だと考えています。よって、これからは「チャーンレート改善に向けた科学」以上に、「エクスパンションを狙うための科学」を突き詰めていきたいと考えています。
具体的には、「BtoBグロースステップ」という全部署共通の指標で、「顧客のWebマーケティング」を組織・活動などを総合したスコアで階層化し、一定レベル以上になった顧客にはアップセル・クロスセルを提案していくという計画を実行に移していく予定です。
最後にひとつお伺いします。桑田さんにとって、「カスタマーサクセス」とはなんでしょう?
愛です。恋愛です(即答)
冒頭で祝っていただいたカスタマーサクセス天下一武闘会2021でも話したことになりますが、好きな人に手紙を書いたり、相手に喜んでもらうためにデートプランを考えたりすることと、プロダクトの活用を通じて顧客を成功に導くたカスタマーサクセス活動には、共通の想いが存在します。それが「愛」です。
そもそも、企業やプロダクトを理解してもらうために、「どう見せようか」「どうやって伝えようか」「どこで見てもらおうか」ということを突き詰めるWebマーケティングも、やはりターゲットに対する「愛」がないと成立しないと思います。ですので、結構真剣にそう思っています(笑)
すみません。。涙腺が。。
失礼いたしました(笑) 最後に、読者に何か伝えたいことがあればひとことお願いします
2022年の1月から、桑田はカスタマーサクセス担当ではなくなります。
嘘ですよね??(笑)
そうなりますよね(笑)
カスタマーサクセスとして顧客と向き合ってきた経験からパートナーの拡大・サクセスを担う部隊への異動で、引き続き「Webマーケティングの大衆化」を成し遂げられればと考えています。事業としても個人としても前向きな異動ですので、応援いただけると嬉しいです。
Growwwth Note総力をあげて応援します
また、まだまだ挑戦が続くferret Oneのカスタマーサクセスのメンバーを積極採用中です!ご興味お持ちいただける方は、是非下記リンク先にアクセスいただけましたら幸いです。
インタビューを終えて
成長著しいSaaSのど真ん中で事業と組織を牽引する若きCSMへのインタビューを通じて、次世代のビジネスシーンにおける主役となる人物像の典型を見た気がしました。元気で素直、知的かつ情熱的。市場のトレンドや他社の取り組みを日々リサーチし、貪欲に取り入れ、積極的に実行しておられる姿には、同じカスタマーサクセスの領域で働くものとして見習うところがありすぎました。
業界としては何とも残念なことに、2022年からはカスタマーサクセスから離れられるとのことですが、どんな職種でも「出会う人すべてを幸せにする」という意思と覚悟で、SaaS業界全体の盛り上げにより一層貢献されるであろう桑田さんのご活躍を、これからも注視していきたいと思います!
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