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ヘルススコア運用1年目のリアルな失敗例!成功させるポイントを解説

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ヘルススコア運用1年目のリアルな失敗例!成功させるポイントを解説

「ヘルススコアを導入したものの、現場がうまく回らない…」と悩むカスタマーサクセス担当者は少なくありません。
特に運用1年目は、指標の設定ミスやデータの形骸化など、予期せぬ壁に直面しやすい時期だといえます。

そこで、本記事では、ヘルススコア運用の「1年目のリアル」な失敗例をひもときながら、形骸化を防ぎ、組織として成功させるための具体的なポイントを解説いたします。







ヘルススコアとは

ヘルススコアとは、顧客が自社のプロダクトやサービスを継続して利用してくれるかどうか、その「健康状態」を客観的なデータに基づいて数値化した指標のことです。

SaaSをはじめとするサブスクリプション型ビジネスにおいて、収益の維持・拡大には「解約(チャーン)の防止」と「LTV(顧客生涯価値)の最大化」が欠かせません。
しかし、顧客が現在どのような状況にあり、満足しているのか、あるいは不満を抱えているのかを、担当者の勘や経験だけで判断するには限界があります。

そこで、以下のような定量的なデータを組み合わせ、顧客ごとにスコアリングを行います。

  • 利用頻度・ログイン状況…毎日使われているのか、あるいは数週間ログインが途絶えているのか。
  • 機能の活用度…プロダクトの核となる重要機能(コア機能)を使いこなせているか。
  • サポート利用状況…問い合わせの頻度や、コミュニティ・FAQへのアクセスがあるか。
  • アンケート結果…NPS(ネット・プロモーター・スコア)などの顧客満足度調査の結果。

 

このように、顧客の「声なきサイン」を数値として可視化したヘルススコアは、カスタマーサクセスチームが「どの顧客に、いつ、どのようなアクションを取るべきか」を正しく判断するための羅針盤となります。

ヘルススコアが重要視される理由


多くのSaaS企業において、カスタマーサクセスの現場でヘルススコアが不可欠なツールとして導入されているのには、明確な理由があります。

ここでは、主要な3つの理由をご紹介します。

 

顧客の状況を可視化できる

ヘルススコアを導入する最大のメリットは、担当者の「経験」や「主観」に頼らず、全顧客のコンディションを定量的に把握できる点にあります。

担当者が「最近、問い合わせの連絡がないからうまく使えているのだろう」と考えていても、実はログイン頻度が急減していたり、主要機能の使用が止まっていたりといった「静かな離脱予兆」が生じていることがあります。

ヘルススコアを活用していれば、こうしたスコアの低下をいち早く察知することが可能になります。

状況に応じた適切な対応ができる

顧客の状態が数値で見える化されることで、カスタマーサクセスとして実施すべきアクションの精度を高められます。

例えば、スコアが低い顧客に対しては解約防止策、スコアが高い顧客に対しては「アップセル・クロスセルの提案」や「導入事例への協力依頼」など、現在の顧客状況に最適化されたコミュニケーションを選択できるようになります。

これにより、顧客体験の向上と収益拡大の両立を図れます。

効率的に活動ができる

カスタマーサクセス部門のリソースは有限です。
そこで、ヘルススコアを活用すれば、全顧客に対して一律の対応をするのではなく、優先的に介入すべき顧客を瞬時に特定できます。

「今すぐフォローが必要な顧客」と「順調にセルフサーブで進んでいる顧客」を切り分けることで、限られた人的リソースを最も効果が高い場所に集中させることが可能になります。

ヘルススコア運用のリアルな失敗例


ヘルススコアを導入した多くの企業が、最初の1年で壁にぶつかります。
良かれと思って設計した仕組みが、なぜ現場の負担や形骸化を招いてしまうのか、その「リアルな失敗例」を見ていきましょう。

 

データ準備の壁に阻まれた

スコア設計以前の段階で、「データの不備」という物理的な壁に突き当たり、運用が頓挫するケースも少なくありません。

  • システムごとに顧客IDが異なり、データのひも付けができない
  • 社名に「株式会社」の有無などの表記揺れがあり、名寄せに膨大な時間がかかる
  • そもそも必要な利用ログが取得できていなかった


このように、データのクレンジングや突合だけで数ヶ月を要し、肝心のスコア運用にたどり着く前にプロジェクトが失速してしまうのは、1年目によくある「リアルな失敗」です。


複雑すぎた

最も多い失敗が、初期段階で「完璧なスコア」を目指すあまり、評価指標を盛り込みすぎて複雑化しまうことです。

ログイン頻度、ページ滞在時間、特定機能の利用回数、サポートへの問い合わせ件数、アンケート回答…と、20も30も指標を詰め込んでしまうと、データの集計・加工に膨大な工数がかかります。

結果として、スコアが何を意味しているのかが直感的にわからなくなり、管理すること自体が目的化してしまいます。

また、「健康・不健康」を分ける判定ロジックの複雑化も問題です。
複数の指標に複雑な重み付けを行い、高度な条件分岐を組み込みすぎた結果、「なぜこの顧客が不健康(赤信号)判定なのか」を現場の担当者が直感的に理解できなくなるケースが生じてしまいます。

さらに、現場の負担となるのが、「入力の箇所やタイミング、項目の複雑化」です。
「商談直後にこのツールへ入力し、週次で別のシートに詳細を転記する」といった、入力箇所が分散した複雑なルールを課してしまうと、カスタマーサクセス担当者の本来の業務である顧客対応の時間が奪われてしまいます。

定型化しすぎた

「一度、決めた計算式が絶対である」という考えに縛られ、実態との乖離(かいり)を無視して運用し続けてしまうケースです。

SaaSプロダクトは日々進化し、顧客の利用環境も変化します。
このため、例えば、導入当初に設定した「週3回のログイン=健康」という基準が、プロダクト改修後もそのまま適用されていると、実態は解約寸前なのにスコアだけが良いという「数値のうそ」が発生してしまいます。

現場の肌感覚とデータのズレを放置した定型化は、現場の不信感を招く原因となります。

特に、運用1年目に起こりがちなのが、「スコアに応じたタスク実行を強制しすぎる」という失敗です。
例えば、「スコアが50点を下回ったら、一律で電話フォローを行い、その結果を詳細に報告する」といったワークフローをガチガチに定型化してしまうケースが該当します。

顧客ごとに抱えている事情や導入フェーズは異なるため、機械的なタスクの強制は、現場のカスタマーサクセス担当者から「今は電話よりもメールの方が効果的だ」「この顧客は特殊な事情で一時的にスコアが下がっているだけだ」といった個別の判断基準を奪ってしまいます。

結果として、現場は「顧客を成功させるため」ではなく「決められたタスクを消化するため」に動くようになり、運用の形骸化を招く要因となります。

活用されなかった

「スコアは算出しているが、その後のアクションが決まっていない」というパターンです。
ダッシュボード上で顧客が「赤信号(危険)」になっていることは把握できても、誰が、いつ、どのようなフォローを入れるべきかのプレイブック(行動指針)が整備されていないため、結局、放置されてしまうのです。

これでは、ヘルススコアはただの「現状を眺めるための数字」に成り下がってしまい、本来の目的である解約防止にはつながりません。

特に深刻なのが、「活用方法を現場のメンバー個人に委ねてしまう」失敗です。
組織としての標準的な対応フローがないまま「スコアを見て各自で判断して動くように」と現場任せにした結果、スキルの高い一部のメンバーしか使いこなせなくなってしまいます。

ほかのメンバーにとっては、スコアは「ただ眺めるだけの数字」となり、次第に入力・チェックすることさえ止め、運用の形骸化を招きます。
これでは、本来の目的である組織的な解約防止にはつながりません。


ヘルススコア運用を成功させるポイント


では、どのようにヘルススコアに取り組めば、上記のような失敗を避け、カスタマーサクセス組織として真の価値を引き出せるのでしょうか?

以下の4つのポイントを意識しましょう。

 

1. シンプルさ

ヘルススコアを設計する際、最も重要なのは「誰が見てもその数字の意味がわかる」というシンプルさです。

指標が多すぎると、スコアが変動した原因の特定が困難になり、現場の判断・アクションが鈍ってしまいます。
まずは、解約やアップセルに最も強い相関があると考えられる「主要な3~5項目」に絞り込み、現場が迷わず動ける状態を整えましょう。

2. スモールスタート

最初から全顧客・全機能を対象に完璧なスコアリングを目指すのではなく、まずは特定のプランや、一部の重要顧客(ハイタッチ層)から運用を開始しましょう。

小さな範囲で運用を回しながら、「このスコアが下がった時は、本当に解約リスクが高まっているか?」という仮説検証を繰り返し、徐々に精度を高めていくアプローチが、最終的な運用の定着につながります。

3. 定期的な見直し・更新

ヘルススコアは「一度、作ったら終わり」ではありません。
顧客のプロダクト利用状況や市場環境、自社サービスのアップデートに合わせて、スコアの重み付けや指標自体を定期的に見直す必要があります。

少なくとも四半期に一度は、実際の解約・継続データとヘルススコアを照らし合わせ、計算式を最新の状態へアップデートするサイクルを組織のルーティーンに組み込みましょう。

4. ツールの活用

ヘルススコア運用においてハードルとなるのは、データの収集・集計にかかる工数です。
Excelやスプレッドシートによる手動管理は、運用が軌道に乗るほど限界を迎え、形骸化の引き金となります。

このため、顧客の利用ログや属性情報を自動で集約・可視化できるカスタマーサクセス管理ツールの導入は、持続可能な運用のための必須条件といえます。

まとめ

ヘルススコア運用1年目は、試行錯誤の連続です。 失敗の多くは「作り込みすぎ」や「やりっぱなし」から生じます。
まずはシンプルに始め、現場のアクションに直結する運用を心がけましょう。

そして、ヘルススコアは、CS部門だけのものではありません。
Salesforce等のCRMと連携し、営業部門が「既存顧客の健康状態」を把握した上で商談に臨んだり、開発部門が「解約リスクの高い顧客が共通して使っていない機能」を特定したりと、全社で顧客に向き合うための「共通言語」になります。
1年目はスモールスタートであっても、将来的な全社活用を見据えた拡張性のあるプラットフォーム選びが、中長期的な成功の鍵となります。

データの統合やスコアの自動化に課題を感じている場合は、専用ツールの導入を検討するのも一つの手です。

カスタマーサクセス管理ツール「Growwwing(グローウィング)」には、顧客情報を一元管理できる「カスタマーカルテ画面」があり、ここで一目で確認できるヘルススコア表示機能があり、顧客の状況の判断や対応の標準化に役立てられます。

詳しくは、下記ページをご覧ください。
Growwwing




佐々木 一稀

執筆者情報:

佐々木 一稀(ささき かずき)

ユニリタ自社開発のフローチャートツール「Ranabase」にて開発に携わり、カスタマーサポートを担当し2022年に「Growwwing」チームへジョイン。
カスタマーサクセスメンバーとしてオンボーディング支援業務を経験し、現在ではその知見を活かし顧客の求めてる情報を発信するためにマーケティング分野を担当。

幅広い経験からの視点を生かし、カスタマーサクセスを行う方へのヒントとなるような記事を掲載できるよう全力で頑張ります。

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