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顧客の消費活動の中心が「モノ」から「コト」へとシフトするのにあわせ、必要なときに必要なだけ利用できるサブスクリプションサービスは、人々の生活に急速に浸透しています。それにあわせ、カスタマーサクセスに注目が集まるようになり、導入する企業も増えてきました。
一方、カスタマーサクセスを導入しはじめたものの、多岐にわたる業務に手を取られてリソースが不足し、対応に苦慮する企業も少なくありません。データを集積・分析するのに手一杯で、実際にカスタマーを成功へと導く施策を立てられずに困っているなら、専用ツールの導入を検討するのがおすすめです。
今回は、カスタマーサクセス組織の活動を力強く支え、顧客を成功へと導くのに役立つツールを6種類紹介します。選びやすいよう得意分野ごとに分類しましたので、自社の状況に応じて適切なツールを選ぶのにお役立てください。
カスタマーサクセスとは「顧客の成功を達成することで自社の利益を得る」という考え方や、それを実現するための組織、戦略、活動などを指す言葉です。
カスタマーサクセスと聞くと、カスタマーサポートが思い浮かぶ方も多いでしょう。 どちらも顧客と接する業務ですが、両者はどう違うのでしょうか?
それぞれの“仕事の起点”を考えると非常にわかりやすくなります。 カスタマーサポートは、顧客の不満や疑問を起点として、それを解決するために業務を行う、課題解決型の役割を担います。 一方、カスタマーサクセスは、商品・サービスの使い始めから顧客の成功を目指して企業側が能動的に行動します。
言い換えると、カスタマーサクセスは「顧客の不満を未然に防止する」プロアクティブな活動を行うことが仕事だと言えます。
カスタマーサクセスの目的をひと言で表すと「LTVの最大化」です。LTVとはLife Time Valueを略した言葉で、顧客が取引を開始してから終了するまでの間に企業にもたらす価値の合計を指します。日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。
とくにサブスクリプション型ビジネスモデルにおいては、自社の契約をいかに長期化するかが収益に直結します。顧客にサービスを継続利用してもらうには、顧客のニーズや目標などを把握・理解し、顧客の成功に向けて伴走支援するのが効果的です。そのため、カスタマーサクセスに注目する企業が増えているのです。
カスタマーサクセスを成功させるには、KPIを設定したうえで達成に向け取り組むことが重要です。カスタマーサクセスの目的がLTVの最大化であることから、KPIには以下のようなものが設定されます。
・チャーンレート(解約率)、継続率
・オンボーディング完了率
・アップセル率、クロスセル率
LTVは、継続率か単価のいずれかを高めることで最大化します。そのため上記のような、継続率や単価に関わる指標がKPIとされるのです。
カスタマーサクセスツールは、企業が顧客との関係を強化し、顧客満足度を向上させるために使用するツール群を指します。これらのツールの主な目的は、顧客が製品やサービスを最大限に活用し、その過程でポジティブな体験を得られるように支援することにあります。カスタマーサクセスは、単に顧客サービスやサポートを超え、顧客が成功を実現するための戦略的なアプローチを提供します。
カスタマーサクセスツールの重要性は、特に競争が激しい市場において顕著です。これらのツールは、顧客との継続的な関係構築に役立ち、顧客のニーズや問題点を迅速に把握し、適切な対応を提供するのに重要な役割を果たします。長期的な顧客関係の構築は、継続的な収益の安定化に直結します。
では、カスタマーサクセスツールを導入することで、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか?
主に、次の5つのメリットがあります。
そもそも、カスタマーサクセス組織の存在意義がLTVの最大化にありますが、ツールを活用することで、より効果的にLTVの最大化を狙えるようになります。
カスタマーサクセスツールを活用することで、顧客のニーズを的確に捉え、適切なタイミングでアップセルやクロスセルを提案できるようになるためです。顧客の成功体験は、アップセルやクロスセルにつながります。
さらに、顧客の成功事例を収集し、マーケティング活動と連携することで、新規顧客獲得にも貢献できます。
多くのカスタマーサクセスツールが、タスク管理や自動化機能、顧客とのコミュニケーションを一元管理する機能を備えているため、カスタマーサクセス担当者は日々のルーティンワークを効率化し、より多くの顧客への対応が可能になります。
たとえば、顧客へのフォローアップメールを自動送信したり、顧客セグメントごとに適切な情報を配信したりすることで、時間と労力を節約できます。 また、チーム全体で顧客情報を共有することで、スムーズな引継ぎや情報連携を実現し、対応品質の向上にも貢献します。
カスタマーサクセスツールは顧客の行動や成果に関するデータを収集・分析し、可視化する機能を備えています。 これを活用すると、どの施策が効果的だったのか、どの顧客セグメントが成功しやすいのかなど、データに基づいた意思決定が可能になります。
たとえば、特定のオンボーディングプログラムが顧客の定着率向上につながっていることがデータから明らかになれば、そのプログラムをほかの顧客セグメントにも展開することで、より大きな成果が期待できます。
カスタマーサクセスツールは、顧客とのコミュニケーションを円滑にするための機能を備えています。
たとえば、ツールから顧客と直接メッセージを交換したり、FAQやヘルプドキュメントを提供したりすることで、顧客の疑問や課題に迅速に対応できます。
また、顧客コミュニティを構築する機能を持つツールもあり、企業と顧客や顧客同士がつながり、情報交換や相互支援を行う場を提供することで、顧客エンゲージメントを高めることができます。
カスタマーサクセスツールでは、顧客の行動や製品利用状況、コミュニケーション履歴など、さまざまなデータを一元管理することができます。
この結果、顧客一人ひとりのニーズや課題の深い理解につながり、パーソナライズされたサポートを提供できるようになります。
たとえば、ツール上で顧客の製品利用状況が低迷していることを発見した場合、積極的に連絡を取り、使い方の指導や追加機能の提案を行うことで、顧客の成功をサポートできます。
結果として、顧客満足度が向上し、解約率の低下につながります。
カスタマーサクセスツールの選び方について解説します。このセクションでは、日本国内の企業が、特に営業部とマーケティング部の連携を強化するために適切なカスタマーサクセスツールを選定する際の具体的なステップと考慮すべきポイントを紹介します。
企業のビジネスモデルや顧客の特性に基づいて、どのような機能が必要かを明確にします。例えば、顧客関係の長期化、アップセルやクロスセルの促進、顧客サポートの効率化などが目的となる場合があります。
利用可能なツールのオプションを調査し、機能、価格、ユーザーレビュー、サポート体制などを比較検討します。類似企業が利用しているツールの事例も参考になります。
必要な機能(例:顧客の行動追跡、自動応答、データ分析)が含まれているかを確認します。既存のCRMシステムやマーケティングツールとの統合性を検討します。
予算内で最大の価値を提供するツールを選択します。長期的な投資収益率(ROI)を見積もり、費用対効果を評価します。
実際にツールを試用し、操作性や機能を体験します。デモやトライアルを通じて、実際のビジネスシーンでの適合性を確かめます。
企業の成長や変化に対応できるツールを選択します。ユーザー数の増加や機能拡張が容易かどうかを確認します。
顧客データの安全性を確保するためのセキュリティ対策が整っているかを確認します。法規制や業界の標準に準拠しているかも重要な要素です。
提供元が十分なサポートやトレーニングを提供しているかを確認します。ユーザーフレンドリーなインターフェースと十分なドキュメンテーションが提供されているかも評価します。
カスタマーサクセスは、顧客のビジネス成功の達成を通じて自社のLTVを最大化させるための重要な取り組みです。そのため、適切に顧客を管理する必要がありますが、顧客数が増えるとスプレッドシート等の汎用ツールでの対応は困難になります。
そこでおすすめしたいのが、カスタマーサクセス専用ツールの導入です。ツールを使って顧客の活動の様子を可視化し、対応を標準化・自動化すると、カスタマーサクセス活動を適切に実行するための環境が整います。
今回は、そんな専用ツールを、得意分野別に12種類紹介します。自社の状況や適性にあったツールの選択にぜひお役立てください。
※掲載している情報は2025年1月現在のものです。
まずは、カスタマーサクセス業務全般に役立つ統合型のツールを4つ紹介します。
画像出典:Growwwing
Growwwingは、株式会社ユニリタが提供する、LTVを最大化するためのカスタマーサクセスプラットフォームです。Salesforceのアプリであるため、(Salesforceライセンスを別途購入することなく)SalesforceのCRM機能とカスタマーサクセスに必要な顧客データの一元管理をはじめとした活動の最適化に資する機能を統合的に利用することが可能です。
顧客による製品やサービスの使用状況や、他部門が使用する各種システムのデータなどを集約して管理でき、タスクの自動生成によるメンバー活動の標準化、活動結果の可視化なども実現できます。
Essentials:60,000円/月〜
Advanced:100,000円/月〜
カスタマーサクセス活動をはじめるには、何をするかの根拠となる「データの収集・蓄積」が不可欠です。Growwwingは、その「データを溜める」というところから、「データに基づいたアクション」までを包括していますので、成熟したカスタマーサクセス組織はもちろん、立ち上げ初期のチームにも貢献できるソリューションです。
https://www.growwwing.jp/index.html
画像出典:Gainsight
Gainsightは、カスタマーサクセスの本場アメリカで評価の高いツールです。ハイタッチからテックタッチにいたるまで、すべてのタッチモデルに準ずる活動をサポートする、「全部入り」のサービスです。すべての顧客データを一元管理することで、詳細なヘルススコアを導き出し、解約やアップセルの兆候の検知も可能にします。一方、日本語非対応であったり、費用面、技術面などにおいて導入する側にも一定以上の知識とスキルが求められるなど、ハードルが高いという側面もあるようです。
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膨大な顧客を抱え、カスタマーサクセス業務全般の効率化を図りたい方や、CRMなどほかのサービスとの連携性を重視したい方におすすめです。
画像出典:Magicsuccess
顧客データを自動集約し、顧客の利用状況をリアルタイムで把握できるカスタマーサクセスツールです。ノーコードでデータ統合のためのカスタマイズが簡単に行えます。
導入にかかるリードタイムが短く、最短2週間で導入可能です。
月額5万円+従量課金
リアルタイムなデータを把握できていなかったり、カスタマーサクセス活動にデータを活かし切れていなかったりする組織、プロアクティブな施策を打てていない組織などにおすすめです。
画像出典:SuccessHub
顧客に関する情報を一元管理でき、さらに、顧客単位で次に何をすべきか、タスクが自動発行される機能が付いています。また、担当変更にもすぐに対応でき、顧客対応のタスクもれを防げます。
メール・Slack・Chatworkなど、顧客ごとに連絡手段がバラバラな場合も、ツール上から一括で連絡でき、業務効率化につながります。
公式サイトからお問い合わせ
タスクもれが頻繁に発生している組織や、担当者変更が多い組織、顧客ごとに連絡手段が分かれている組織などにおすすめです。
カスタマーサクセスでは期待できるLTVでセグメントするのが一般的ですが、タッチモデルを横断したコミュニティを育成するコミュニティタッチも有効です。ここではコミュニティタッチに強いツールを紹介します。
画像出典:coorum
coorumは、カスタマーサクセスでコミュニティタッチを実装したいときに役立つツールです。既存顧客向けのナレッジサイトなど「WEB上のコミュニティ」をノーコードで構築可能。プロダクトにポップアップを付けたり、マニュアルやユーザーQ&A、イベント告知など、顧客に訴求したいコンテンツやイベントの一元管理を実現します。また、ユーザーに対するアンケート実施・回収も可能で、VoCを収集する上でも活用できます。
公式サイトよりお問い合わせ
ノウハウや成功事例を顧客同士でシェアする場を提供したい方や、顧客ステージに沿ったコンテンツを提供したい方におすすめです。
画像出典:Commune
顧客コミュニケーション工数の最適化を掲げ、オンボーディングをオンラインで完結させる機能など、工数削減を実現しやすいカスタマーサクセスツールです。ナレッジ共有やFAQ機能も充実しており、顧客が自ら疑問を解決できる環境を整えることもできます。
公式サイトよりお問い合わせ
ハイタッチ型の支援から抜け出せず、顧客対応工数が膨大になっており、なんとか工数を減らしたいと考える組織などにおすすめです。
https://commune.co.jp/purpose/customersuccess/
画像出典:CommuRing
タスク管理や進捗管理が行えるコミュニケーションツールです。ストレージサービスも組み込まれているため、動画など容量の大きなファイルの共有も可能です。 顧客だけでなく、取引先やパートナー企業などとの情報共有やコミュニケーションにも最適です。
Basic:月額1万円から
Business:月額3万円から
Enterprise:月額5万円から
オンボーディングなどで顧客に展開したい情報共有の手段に悩んでいる組織、顧客のITリテラシーが低めで誰でも使えるツールを探している組織など。
https://commu-ring.unirita.co.jp/
工数をかけずにテクノロジーのちからで顧客に情報を一斉配信したいというニーズにマッチしたカスタマーサクセスツールをご紹介します。
画像出典:fullstar
fullstarは、ノーコードで簡単にチュートリアルを作成できるツールです。チュートリアルを提供し、顧客自身が製品やサービスを活用できる仕組みを作ることで、セルフオンボーディングを促進します。質の良いUI、UXを提供するとともに、カスタマーサクセスチームの工数削減にも貢献します。
Free:0円
Light:60,000円/月〜
Enterprise:お問い合わせ
オンボーディング部分をチュートリアルで実行しリソースを最適化したい方や、顧客地震で解決できる仕組み作りを行いたい方におすすめです。
https://fullstar.cloudcircus.jp/
画像出典:Onbording
Onbordingは、WebサイトをはじめとするWebサービスを、ノーコードで改善できるツールです。たとえば、オンボーディングサイトやマニュアルサイト上にポップアップを表示させたり、ユーザーを導くガイドを設定したりすることで、Webサービスの利用を促進します。
ユーザーごとのガイド利用率やログイン頻度、機能活用状況といったデータ分析も可能です。
公式サイトからお問い合わせ
既存のサービスページやマニュアルサイト、オンボーディングサイトの利用率が低かったり、改善が必要と考える組織など。
画像出典:テックタッチ
テックタッチは、ノーコードで自社プロダクトや社内システムなどのWeb画面上でのユーザー体験を向上させられるツールです。
分析機能では、活用されていない機能や非効率な操作を見つけることが可能です。
公式サイトからお問い合わせ
自社プロダクトの不要な機能を洗い出したい組織や、顧客向けのプロダクトやWebサイトだけでなく、社内システムの改善も行いたい組織などにおすすめです。
最後に、カスタマーサクセスの業務プロセスを可視化することに特化したツールをご紹介いたします。カスタマーサクセス業務のプロセス改善に役立てることができます。
画像出典:Ranabase
Ranabaseは、国産の業務フロー作成ツールです。業務フローの改善が行えるBPMツールは、高価でハイスペックな海外ツールが多い中、Ranabaseは希少なエントリークラスのため簡単に導入ができます。サポートも手厚いので、初めてBPMを行う組織に最適です。業務の可視化にとどまらず、継続的な業務改善が可能です。
パーソナルプラン:月額1,200円から
ビジネスプラン:利用人数によって要見積もり
カスタマーサクセス業務のプロセスを可視化し、継続的に改善していきたい組織など。
画像出典:SAP Signavio
SAP Signavioは基幹システムパッケージで有名なSAP社のBPMツールで、業務プロセスを一貫して可視化し、関係者間でのプロセス共有・一元管理の実現を目指します。
公式サイトからお問い合わせ
エンタープライズでカスタマーサクセス業務をはじめとするさまざまな業務の可視化と一元管理を行いたい組織。
サブスクリプション型ビジネスを採用する企業にとって、カスタマーサクセスは欠かせない取り組みとなりました。カスタマーサクセスを効率的に実行するには、ツールを活用するのがおすすめです。サブスクリプション型ビジネスを採用する企業にとって、カスタマーサクセスは欠かせない取り組みとなりました。カスタマーサクセスを効率的に実行するには、ツールを活用するのがおすすめです。
カスタマーサクセスをサポートするツールはそれぞれ特徴があり、自社の目的に応じて選ぶことが大切です。今回紹介した目的別のおすすめツールを、カスタマーサクセスの成功にお役立てください。
※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標またはサービスマークです。
執筆者情報:
ユニリタ自社開発のETLツール「Waha! Transformer」の導入教育/サポート、データ活用システム(ETL/DWH/BI)構築のプロジェクトマネージャーを歴任し、2018年にカスタマーサクセスチームの立上げ責任者を担当。
その経験からカスタマーサクセス専用ツールの必要性を実感し「Growwwing」の事業立上げをおこなう。
2020年7月の事業化からプロダクトマーケティングとカスタマーサクセスの責任者を担当。
カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」においてハイタッチ部 副部長も歴任。
LTV最大化のためのカスタマーサクセスプラットフォーム『Growwwing グローウィング』のサービス資料を無料でダウンロードいただけます。
『Growwwing グローウィング 』は、解約防止とネガティブチャーンを達成する顧客管理が実現。Salesforceとの相性は全ツールNo.1です。