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製品やサービスの改善、さらにはビジネスの戦略を考える上で「フィードバック」は欠かせない要素の一つです。
顧客や社内から寄せられる「ここが良かった/悪かった」という評価や指摘、「こうしてほしい」という要望や意見には、今後の改善のために重要なヒントが詰まっています。
この記事では、なぜフィードバックが重要なのか、どのような目的があるのか、誰からどうやって収集するのかを網羅的にお伝えします。
カスタマーサクセスにおけるフィードバックとは、顧客や社内関係者など製品やサービスに関わる全ての人から寄せられる商品やサービス、企業やブランドについての意見や反応のことです。自社の製品やサービスを実際に利用した顧客の声(VoC:Voice Of Customer)を取得・分析することで、顧客満足度や評価点、問題点などを明確化できます。カスタマーサクセスでは、顧客を成功に導くための支援を実施することが大切です。具体的にどのようなサポートを行うべきか、フィードバックを受けて検討することになります。
カスタマーサクセスにおけるフィードバックの目的は、大きく分けて5つあります。
顧客から得たフィードバックを基にニーズや市場の変化を把握することで、経営戦略を都度最適な方向へ調整できます。時代や市場のニーズに合った商品やサービスをいち早く開発・提供すれば、競合に打ち勝つための戦略づくりに役立ちます。
顧客からの声を製品やサービス改善に反映させれば、顧客はより積極的にフィードバックを寄せてくれるようになります。また、フィードバックを基にした改善は顧客満足度の向上に直結するため、顧客からの信頼や愛着を得るきっかけにもなるでしょう。フィードバックの収集と反映を継続すれば、企業・商品に愛着を持ち、継続的に製品・サービスを購入するロイヤルカスタマーの育成にもつながります。
製品やサービスの改善には相応の時間とコストが掛かるため、改善が必要な部分に優先順位を付け、段階的に進めていく必要があります。顧客からのフィードバックを分析すれば、どこから優先的に改善に取り組んでいくかを判断する材料となります。また、社内で出ている改善策とフィードバックの内容を照らし合わせれば、その改善が本当に必要なものかどうか見極めることも可能です。
製品やサービスにまつわるプロセスやコンテンツは、継続的に最適化していく必要があります。フィードバックをおこなえば、顧客の意見や反応をもとにプロセスやコンテンツの問題点・課題点を洗い出し、改善につなげることが可能です。また、フィードバックの獲得と改善を繰り返し、その結果を顧客に伝えることで、製品やサービスの価値を顧客が実感しやすくなります。この状態をフィードバックループといいます。フィードバックループにより、顧客ロイヤルティやNPS(Net Promoter Score)の向上にもつながるでしょう。
カスタマーサクセスイネーブルメントとは、カスタマーサクセスの組織や業務を強化、改善するためにおこなう取り組みです。カスタマーサクセスイネーブルメントの取り組みの中でも重視されるのが、カスタマーサクセスに携わる人材の育成です。カスタマーサクセス活動を成功させるには、コミュニケーション能力やヒアリング能力、マネジメント能力、提案力など、さまざまなスキルを求められます。フィードバックを基にスタッフを評価し、人材育成プログラムに反映させれば、カスタマーサクセスにおける人材育成の効率化に役立ちます。
企業の製品やサービスを利用する人は多岐にわたるため、全ての顧客からフィードバックを得るのは困難です。また、あちこちから雑多にフィードバックを集めるよりも、目的に合わせてターゲットを選択し、集中的にフィードバックを収集した方が目的達成に役立ちます。ここではカスタマーサクセスにおけるフィードバックの主な収集先と、それぞれの目的について説明します。
プロダクト契約の窓口となる担当者です。
製品やサービスの社内推進や評価報告をおこなう立場となる人物なので、どのような点にプロダクトの価値を感じたか、導入後にどのような効果を実感しているか、などの話を聞くことができます。また、プロダクトの導入効果や課題などを把握する人物のため、導入事例を依頼するときの窓口にもなるでしょう。
自社の製品やサービスを使用する人のうち、特にプロダクトを使いこなせている人物です。多くの場合、プロダクトの活用推進を担う人物を指します。プロダクトの操作性やUIの使い勝手についての意見を聞きたいときは、チャンピオンからフィードバックを得るのがおすすめです。
プロダクトを日常的に利用しているユーザーのことです。大多数はこの利用者に該当するため、主要な意見として重宝します。初心者でも操作しやすいかどうか、不満に思う点はどこかなどの意見を聞きたいときは利用者からフィードバックを得るのが効果的です。
顧客と提供サービスに接点を持つ社内関係者のことです。具体的には、営業部門やサポート部門、社内のプロダクト利用者などが該当します。営業部門は商談の場などで顧客と接する機会が多く、顧客の生の声を得やすい立場にいます。どのような悩みがあり、どのような機能を持った製品、サービスを求めているのか、市場の動向を調査したいときにフィードバックの対象としたい人物です。サポート部門は、顧客から寄せられる「使い方がわからない」「こういう使い方をしたい」といった質問や疑問に応じる仕事を担っています。これらの声をフィードバックとしてプロダクトに反映すれば、より利便性の高い製品・サービスの開発に役立ちます。社内プロダクト利用者は、社内で自社の製品・サービスを利用している人物です。社内の人間だけあって、忌憚のない意見を得られやすく、顧客が言いづらい本音や不満の声を拾い上げることができます。
カスタマーサクセスにおいてフィードバックを得る方法は大きく分けて5つあります。
ターゲットに直接話を聞きに行く方法です。ヒアリングには、訪問面談とWebヒアリングの2種類があります訪問面談はターゲットの顔を直接見ながらヒアリングできるところが利点です。特徴としては、反応を間近で見られるだけでなく、その場限りの気軽な話もできるため、心理的なハードルが低くなることが挙げられます。一方のWebヒアリングは、場所を問わずいつでもコミュニケーションを取れるところがメリットです。隙間時間にヒアリングすることも可能なので、時間を有効活用できます。どちらの方法を選ぶかはニーズやシーンによって異なり、両者を使い分けている企業も少なくありません。定期的なヒアリングは、顧客にとっては自分のニーズや要望を伝える良い機会になり、企業にとっては有用なタッチポイントとなるので、こまめにセッティングすることをおすすめします。
紙のアンケート、またはWeb上で回答できるWebアンケートなどを使って収集する方法です。一度に大多数の人からフィードバックを収集できるため、一般利用者をターゲットにする場合によく用いられます。ただし、アンケートに回答するか否かはターゲットに一任されるため、回答率を上げるためには、アフターケアとして送ったメールにアンケートURLのリンクを貼るなどの工夫を採り入れることが大切です。
SNSへの書き込みは、自発的な発信が容易に行え、匿名性が高いことから、忌憚のない意見を得やすい場とされています。自社の製品、サービスの名前やハッシュタグなどで検索し、利用者の意見や反応をチェックしていけば、普段は見えにくいユーザーの本音を聞けます。
サポートやコーポレートサイトに寄せられた問い合わせの履歴には、利用者が疑問に思った点や、不満を感じた点などが数多く含まれます。それらの内容をまとめて分析すれば、プロダクトに関してどのような課題があるのか、客観的に把握することが可能です。
製品やサービスの利用ログを辿れば、どのくらいの頻度でログインしているか、どの機能が特に使われているか、利用状況を確認できます。多用されている機能と、あまり使われていない機能を把握すれば、今後開発に力を入れていくべき機能をプロダクトのロードマップに活かせます。
コーポレートサイトやコミュニティ上での利用者の行動履歴をチェックし、顧客の興味関心や課題を探る方法です。アクセスログを辿ったり、コミュニティでよく話題に上るポイントをチェックすれば、今後の活動や意思決定の判断材料として活用できます。
カスタマーサクセスにおいて、フィードバックを得ることは非常に重要な活動です。フィードバックの獲得を繰り返すことによって、プロダクトの課題や改善点が明確になります。フィードバックをどのようにおこない、活かすかは企業によって異なるので、自社の目的やニーズを基に、プロセスの構築やターゲット・収集方法の決定などをおこなうとよいでしょう。
監修者情報:
ユニリタ自社開発のETLツール「Waha! Transformer」の導入教育/サポート、データ活用システム(ETL/DWH/BI)構築のプロジェクトマネージャーを歴任し、2018年にカスタマーサクセスチームの立上げ責任者を担当。
その経験からカスタマーサクセス専用ツールの必要性を実感し「Growwwing」の事業立上げをおこなう。
2020年7月の事業化からプロダクトマーケティングとカスタマーサクセスの責任者を担当。
カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」においてハイタッチ部 副部長も歴任。
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