【サクセスボイス Vol.12】 ウイングアーク1stのカスタマーサクセス担当者が語る人生をかけた顧客視点の追及

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今回は、リアルな企業によるリアルなカスタマーサクセスを紹介する【サクセスボイス】第12弾!
ウイングアーク1st株式会社を支えるカスタマーサクセスマネージャー 貝沼氏と 磯部氏からお話をうかがうことができました。

様々なキャリアを経てたどりついたカスタマーサクセス職で、人生をかけて追及したいと熱く語る”圧倒的顧客視点”をご堪能ください!

 

 

 

目次





ウイングアーク1stのCustomer Success部が掲げるスローガンとその想いとは?


まず始めに自己紹介をお願いします


株式会社ウイングアーク1st / Customer Success部 / Customer Success Manager BDG / 貝沼英郎です。

(BDは何の略なのでしょうか?)

ビジネスドキュメントの略です。

帳票回りのプロダクトを扱う部署で、「SVF Cloud」という帳票作成ツールと「invoiceAgent」という帳票の保管と受配信をおこなうサービスを担当しています。これらのプロダクトにおけるオンボーディングや活用促進といったエクスパンションを含め、プロダクトをさらに活用していただくための活動が主な役割です。

 

(簡単に経歴も教えてください。)

新卒で大手保険会社に入社し営業を2年ほど経験しました。その後人材紹介の会社で営業・キャリアアドバイザーという2つの業務をおこなっていました。2019年からウイングアーク1stに入社し、現在に至る5年間担当プロダクトは変われどCS業務として、お客様の導入支援から活用支援までをおこなっています。

 

(前職で営業の経験を積まれているとのことですが、カスタマーサクセスの業務をおこなう上でのギャップはありましたか?)

お客様との対応は違和感なくおこなうことができましたが、システムの経験がなかったのでプロダクトの扱いをマスターするのは他の同期と比べると遅く苦戦をしました。



(ありがとうございます。また後で詳しく教えてください)



(それでは次に、磯部様の自己紹介をお願いいたします)


株式会社ウイングアーク1st / Customer Success部 / Customer Success Manager DEG / 磯部ちひろです。

 

(DEは何の略なのでしょうか?)

データエンパワーメントの略になります。

おもに「MotionBoard」や「Dr.Sum」といったデータの集計や加工・可視化などをおこない、データ分析や業務効率化を支援するサービスを担当しています。



(簡単に経歴も教えてください。)

2019年にウイングアーク1stに入社し「MotionBoard Cloud」や「Dr.Sum」のサポートを2年間経験しました。その後、2022年10月ごろから現在の部署に移動し、約2年カスタマーサクセス業務に励んでいます。

ウイングアーク1stに来る前は独立系のSIerでエンジニアとして開発をおこなっていました。ファクトリーオートメション(製造業系)関連のシステムを扱っており、センサー系の情報収集やフロントエンド周りの開発、営業技術のようなお客様への提案業務もおこなっていました。



御社サービスについて教えてください

[貝沼さん]私と磯部でそれぞれ「ビジネスドキュメント事業」と「データエンパワーメント事業」という異なる領域のプロダクトを取り扱っているため、順番にお話します。最初にウイングアーク全体事業はこちらのようになります。



私のグループでは「SVF Cloud」と「invoiceAgent」という2つのプロダクトを取り扱っています。


「SVF Cloud」は帳票のレイアウト作成とPDFやプリンターに出力をおこなう帳票基盤ソリューションです。

プロダクト開発の背景として、こだわりある帳票を作成したいという日本特有のニーズに応えるため、自由にレイアウトを設計・作成できるツールの要望がありました。こうしたニーズに応えるために出来上がったのが「SVF Cloud」です。当初はオンプレミス版のプロダクトとして提供しておりましたが、今ではクラウドサービスとしても提供しています。



「invoiceAgent」は現在ご利用されている帳票フォーマットのまま、あらゆる帳票を電子保管・管理できるプロダクトです。また、電子帳簿保存法(電帳法)やインボイス制度対応など帳票を取り巻く法制度にも対応しています。

プロダクト開発の背景として、「SVF Cloud」では帳票出力することはできましたが保管する機能がございませんでした。そこで帳票の保管や活用ができるよう「invoiceAgent」をリリースしました。また、電帳法対応が施行された際、今までバラバラに保管していた帳票を一つのプラットフォーム上に保管するニーズがございました。

 

(SVFと比較して顧客に違いはありますか?)

はい。「SVF Cloud」導入企業にも多くご利用いただいてますが、電帳法対策の課題をもつ新規企業の採用ケースも多いです。逆に「invoiceAgent」導入企業には、別途「SVF Cloud」のアップセル提案をすることで顧客の課題解決領域を最大化しています。

 

(他社プロダクトとの差別化ポイントはどのようなところにあるのでしょうか)

他社プロダクトでは帳票の種類(請求書など)に特化したものが多いなかで、「SVF Cloud」、「invoiceAgent」ともに様々な種類の帳票を作成/保管できる点が差別化ポイントです。「invoiceAgent」はただ保管するだけでなく、電帳法の検索三要素といわれる情報を付加した状態で保管可能です。

 

また、保管に対して人の手がかからない。たとえばファイルのリネームやOCR結果にも左右されない点、さらに、保管だけでなくお客様へ配信/受信をおこなうことができ、「デジタル帳票基盤」としてカバーできるプロセスや業務範囲が広いことも独自の強みだといえます。



(ありがとうございます!磯部さんの取り扱っているサービスも教えてください。)
[磯部さん]私のグループでは「MotionBoard Cloud」と「Dr.Sum Cloud」という2つのプロダクトを取り扱っています。


弊社では業務データのマネジメントから分析・可視化までのサービスを提供しています。



「MotionBoard」は業務アプリ開発からデータ活用までを一気通貫で実現できるBIツールとして2011年にオンプレミスの形でリリースしました。その後クラウドプロダクト拡大のために、2014年に「MotionBoard Cloud」としてサービス提供を開始しています。

「データ活用」だけではなく、レポート出力や地図連携による位置情報の活用、入力機能が強みです。

 

「Dr.Sum」は一言でいうと”ノーコード開発可能な高速集計データベース”です。2003年にオンプレミスの形でリリースし、2019年に同じくクラウドプロダクト拡大を目的として「Dr.Sum Cloud」のサービス提供を開始しました。

ノーコード開発が可能なGUI画面や、特許取得の高速集計データベースが強みです。また「MotionBoard」「Dr.Sum」どちらも競合ツールは外資系が多いなか、純国産であることも強みといえます。弊社ではパートナービジネスが強いこともあり、業種カットでの販売もおこなっており、多種多様な活用方法や事例があることも強みです。



顧客に迷わない導線を​。そして顧客に成功を。

ウイングアーク1stのカスタマーエクスペリエンス統括部では、「顧客に迷わない導線を​そして顧客に成功を」というスローガンを掲げています。

 

(顧客視点を体現したスローガンですね!どういった背景からできたのでしょうか?)

このスローガンは3年ほど前にできたスローガンだと記憶しています。

当時、ウイングアーク1stの顧客は、当社から提供する情報がバラバラであったことが原因で、プロダクトの活用方法に迷いが生まれて問題になることが多くありました。そこで、お客様の成功のために、顧客に迷わない流れで情報提供をおこなえるようにするという目的から、このスローガンを掲げました。生まれた背景は顧客起点ではありつつも、我々自身が顧客視点で考えることを重要視しています。

つまり、プロダクト活用をスムーズに習得・定着化し、チャーンを回避して終わりではなく、顧客がビジネスで実現したいことが達成できているかを考えて行動していることが当社のCS組織の特徴といえます。

 

(まさに顧客視点の追求を統括部全体で意識しているということですね!続いて、活動内容にも踏み込んでお話を聞かせてください!)




 

徹底的な顧客視点の追求!ウイングアーク1stのカスタマーサクセス活動を大解剖!!

 

現在取り組んでいるカスタマーサクセス活動を教えてください

先ほどの「顧客に迷わない導線を​そして顧客に成功を」というスローガンのもと、最重要指標(KGI)であるNRR(Net Revenue Retention)の向上に向けて以下の施策に取り組んでいます。

 

①データOps領域

②ハイタッチ領域

③テックタッチ領域

④ロータッチ領域

 

(NRRを最重要指標にしている理由について聞かせてください)

カスタマーサクセス活動の成果として一番表現がしやすいと考えていることが理由です。NRRの数値はチャーンによって低下し、アップセル・クロスセルによって上昇します。カスタマーサクセスの努力が直接反映される指標であることから、適切な表現方法だと考えています。

 

(NRRの最大化を実現するために一番注力している活動を教えてください)

今年度はエクスパンションを重視して、CSQL(Customer Success Qualify Lead)獲得の活動に注力しています。

ただし、CS部内のグループ(BD/DE)によって売上の傾向が異なる場合があります。たとえば、DEはチャーンが多く、BDはチャーンが少ないがアップセル・クロスセル売上も少ない、など。そのため、部門によって、NRR最大化に向けて注力する中間KPIは異なることがあります。

 

(なるほど!NRR最大化に向けてグループごとに最適な活動に落とし込んでいるわけですね。最適化するためのデータはどのように整備されているのでしょうか?)

顧客情報やカスタマーサクセスマネージャー(以下CSM)の活動情報を一元管理し、可視化をしています。それ以外に、戦術を実行できるようにする仕組みづくりや、CSMが顧客アプローチの優先順位付けができる状態を目指した施策も活動範囲です。

 

(データの一元管理はどのようにおこなっているのでしょうか?)

顧客情報は当社プロダクトの「Dr.Sum」を自社利用しています。また、活動情報はSalesforce上に蓄積しており、それぞれのデータを活用して可視化と分析活動をしています。

 

(ありがとうございます。次に、戦術を実行できるようにする仕組みづくりについて詳細をおうかがいさせてください)

課題の一例として、担当顧客数の増大によってアプローチ優先順位の属人化が発生していました。担当者ごとのバラつきを防ぐためにルール化をおこない、一定の基準を設けてアプローチをする改善施策を進めています。

 

(担当顧客数の増大とありましたが、CSM一人当たりの担当社数についておうかがいさせてください)

1人30社から多くて100社ほどの顧客を担当しています。一部のグループや担当プロダクトでは、顧客セグメントの分類をおこなっており、セグメントにあわせた顧客割り振りの調整をおこないました。


(担当顧客数が多いと全部をハイタッチで回すことは難しいと思いますが、今後テックタッチに移行する計画などはあるのでしょうか?)

その通りです。一方で、組織に関しては部門をタッチモデルで分けてしまうと情報流通の過程で正確性を損なうリスクがあるため、部門内でハイタッチ活動の一部をロータッチ・テックタッチに移行する取組みをはじめています。

また、新規テックタッチ施策もカスタマージャーニーマップの精査とアイデア出しから取組みを開始している状況です。

 

(一番整備しているハイタッチ活動について具体的な内容を聞かせてください。)

 以下の4つの活動をおこなっています。

1.定期接点活動

CSMが担当のお客様に対して、顧客セグメントに合わせた間隔でアポイントを取って直接ヒアリングをおこなっております。

 

2.オンボーディングプログラムの実施

カスタマーサクセスグループや扱うプロダクトに関係なく、統一したオンボーディングプログラムを作成していることが特徴です。内容はプロダクトごとに多少変わりますが、金額感や期間は統一したプログラムを作成して運用しています。

 

3.チャーン防止活動

オンボーディングプログラム後のお客様に対して、2つの視点で健康状態を判断しています。

①定期接点で直接ヒアリングをおこなった結果から判断

②ヘルススコア(プロダクトログから取得した活用率や展開率といった指標を用いて作成)

上記視点で、チャーン可能性を判断し、健康状態が悪いお客様には接点を設けてチャーン防止活動をおこないます。

しかし、ヘルススコアには精度面で課題が多く、ブラッシュアップの余地がある状況です。

 

4.エクスパンション活動

定期接点における活動の一環でエクスパンション活動をおこなっています。必要に応じて営業に同行してもらい、エクスパンションの機会創出を積極的におこなっています。

また、チャーン防止活動のなかで活用しているヘルススコアの算出条件に、お客様組織のキーマンとの定期接点状況と印象を含めるように設計しています。そういった観点から、アップセルやクロスセルのタイミング判断を自動化できるように設計を進めています。





カスタマーサクセス職への転職を決意した2人のCSMが目指す未来とは?

 

 

なぜカスタマーサクセスという業種を目指したのでしょうか。

(今までのお話を踏まえて、あらためてお二人がカスタマーサクセスという業種を選んだ理由を教えてください)

 

[貝沼さん]これまで営業活動を行う中で、「この契約は本当にお客様のためになっているのだろうか?」と自問する瞬間が度々ありました。利益を追求する一方で、心のどこかで「本当にお客様に価値を提供できているのか」と考えているなかで出会ったのが「カスタマーサクセス」という職種でした。


(カスタマーサクセスに求めていたものと実際の業務でのギャップはありましたか?)

[貝沼さん] 営業の経験があったので、お客様との会話に関しては特に違和感はありませんでした。ただ、IT業界が初めてということもあって業務には不安がありました。ですが、乗り越えてしまえば逆に「私が習得できるのであれば誰でも使うことができる」という自信に変わりました。

 

お客様とのMTGでも専門用語の表現の仕方などを工夫できる点はこれまでの経験が活かせている部分だと感じており、生産性のある働き方や、お客様のためになっている働きができていると自負しています。

 

(磯部さんのキャリアについても聞かせてください。)

私は元々、情報系の大学を卒業後、開発系の職種を経験していました。ただ、ものづくりをするなかで達成感が得られないことが多く、「もっとお客様の役に立ちたい!」という思いが強くなっていきました。

そんななか、前職の業務でウイングアーク1stのMotionBoardに出会いました。その時にMotionBoardのファンになってしまって、MotionBoardに携わりたい一心でウイングアークに入社しました(笑)

 

(ファンから社員になったという熱意がすごいですね!入社してから、どのようにカスタマーサクセスに出会ったのでしょうか?)

入社してからはカスタマーサポートの業務をおこないました。ただ、サポート業務だと目の前の課題にとどまってしまうので、「もう少し潜在的な課題を解決したい。自分の好きなサービスを使ってお客様の成功を拡大させたい」という思いが強くなり、会社に希望を出し続けるなか、2年半の月日を経てカスタマーサクセス職に就くことができました。

 

 

さらなる顧客視点の追求へ!2人のCSMが伝える、これからCSを目指す方へのメッセージ


(この記事をご覧になる方へ、お二人からメッセージはありますか)

 

[貝沼さん]カスタマーサクセスは顧客視点が最も重要です。顧客からすべてがはじまると言っても過言ではなく、その成功を導くことが私たちの最大の役割だと考えています。プロダクトを導入することがゴールではなく、その結果得られる顧客の成功が最終的なゴールです。その成功を意識することが、カスタマーサクセスの仕事において最も大切なことだと思っています。

プロダクトを良くするために開発にフィードバックすることも顧客の成功のためですし、導入を進めることも同様です。すべては顧客の成功を起点にしているので、その目標がぶれなければ、カスタマーサクセスの仕事は成り立つと思います。しかし、それは決して簡単な仕事ではなく、非常に難しい仕事だとも感じています。この仕事を人生をかけて追求したいと強く思っています。



[磯部さん]お客様の成功が私自身の成功であり、嬉しい瞬間でもあります。ウイングアークプロダクトに関わることで、営業やサポートと共にお客様の成功を願いながら動いています。ウイングアークのプロダクトを使って成果を上げたり、担当者が成長したり、企業が利益を得る姿を見ることができるので、楽しく刺激になる仕事だと感じていますし、その喜びをともに分かち合えることは素晴らしいことだと思っています。

カスタマーサクセスの仕事は、開発要素やサポート要素、営業、コンサルなど多方面にわたる要素が必要ですが、それを通じて自分自身も成長できます。カスタマーサクセスのトレンドは日々変化していますが、顧客と共に成長し続けることができるのは、CSならではの魅力だと思っています。この仕事が天職だと感じており、お客様の成長を自分ごとのように捉えながら、これからも共に成長していきたいと思っています。





カスタマーサクセス組織における”顧客視点の深化”や”業務の可視化・型化・効率化”に課題をお持ちの方は株式会社ユニリタのGrowwwing(グローウィング)!


株式会社ユニリタでは「Create Your Business Value -ITの力で、一歩先の未来を創造する-」というミッションのもと、デジタル技術による、持続的な社会の実現に向けてIT業界の課題を解決するソリューションを多角的に展開しております。

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※インタビュー実施日:2024年11月26日
 2025年3月14日時点で確認された情報を掲載


▷▷前回分の第11弾はこちら!
【サクセスボイス Vol.11】カスタマーサクセス部門の責任者2人が語るカスタマーサクセスとは!



松本 隼陽

執筆者情報:

松本 隼陽(まつもと じゅんや)

2018年にBtoCスタートップ企業に入社後、訪問営業を経験。
2019年にエンジニアリング会社へ転職し、開発・運用保守・サポートの現場を経験。
その後、2022年に株式会社ユニリタに転職し、カスタマーサクセスチームのリーダーとして、オンボーディング支援やセミナー講師を担当するなど日々奮闘中。


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